【10年後の未来をつくるトーク #3】変更じゃなくて増やすのは選択肢|山下貴嗣さん(Minimal -Bean to Bar Chocolate-代表)

Bean to Barという手法を用いて作られたチョコレートを販売する山下貴嗣さんにお越しいただき、農村の貧困問題から日本の持続的な豊かさについて、「選択肢」という切り口からお話を伺いました。

Bean to Barとはカカオの豆の買い付けからチョコレートを作る工程まで一貫して行うチョコレートの製法です。大事にしているコンセプトは、カカオ農家に自ら赴き、カカオ豆を買うところです。

山下さんたちはとにかくおいしいチョコレートを求めて、カカオ農家の方といっしょにカカオ豆からチョコレートを作るワークショップを開くなどして、おいしいカカオ豆について考えていきます。
おいしいカカオ豆は少量でも高いお金を払って買う。もちろん全ての農家の方がそのやり方に賛同するわけではありません。しかし、山下さんは少量でも高くよりおいしいカカオを売る、という選択肢を増やすことが大切だと考えています。

そんな山下さん、このようなチョコレート作りを始めたきっかけは、食べることが好きなこと。そして、日本の技術をグローバルに発信したい、という思い。カカオとお砂糖だけでできたチョコレートを食べて、衝撃をうけた山下さんはチョコレートに和食に共通する発酵という過程と素材の味を生かせる点があることに気づき、豆から一貫してチョコレートを作ってグローバルに販売していこうと決めました。

SDGs1-1、2030年までに極度の貧困をあらゆる場所で終わらせるという目標に対して、山下さんは「選択肢を増やすことが豊かさにつながる」と話します。山下さんたちはおいしいチョコレートを提供したいから高く品質のいいカカオを求める、カカオ農家の方には量だけではなく品質をあげるという選択肢が増える、消費者はおいしいチョコレートを食べたいから山下さんたちのチョコレートを買うという選択肢を持つ。無理なく、継続できる形で、持続的な社会を作っていく。

未来に向けて、全てのチョコレートを山下さんたちのように品質の良いカカオから作るものにする必要はない、お互いにお互いの正義を振りかざしても構わない、けれど、いよいよ環境がまずくなったときにどうするか、その選択肢を増やしておくことが大事。

あなたの周りにはどんな選択肢がありますか?
身近なことでも他の選択肢を学んでみるって大事かもしれません♫