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サグラダ・ファミリア

Sagrada Família

「サグラダ・ファミリア(Sagrada Família)」とはスペイン語でイエス、聖母マリア、義父・聖ヨセフの"聖なる家族"を意味する。
バルセロナのサグラダ・ファミリア教会も1882年に書籍業者のホセ(ヨセフ)・マリア・ボッカベリーアの提唱で建設運動が始まり、浄財をして罪を贖い、聖家族に献堂したことから正式には聖家族贖罪教会(Temple Expiatori de la Sagrada Família)と呼ばれる。
何度も資金繰りが悪くなり工事が中断し、現在も未完のまま。
設計を担当した建築家アントニオ・ガウディ(Antonio Gaudi)の没後100周年を迎える2026年に完成を目指していたが、コロナ禍の影響で工事が遅れ、完成は早くとも2033年になるであろうと予測されている。
ガウディ設計の建築群の一つとして2005年にユネスコの世界遺産に登録されている。

聖誕」をテーマに数々の彫刻で飾られている教会のファサード(正面、東側廊)は、朝陽があたるよう東側を向いている。
三角形の頂点には、洞穴のような空洞で聖母マリアの戴冠、その下部にイエスの聖誕、エジプト逃避行、イエスの大工修業などなどイエスの幼少期を。周辺では天使たちが音楽を奏でている。ファサードは、ガウディの存命中に造られた。

西側側廊からの出入口の正面には、東側のファサードとは対照的に現代的な彫刻群でイエスの受難の場面が彫られている。
壁の上部には聖人たち、スペインの守護聖人・聖(大)ヤコブ、12使徒の一人でアルメニアを宣教したとされる聖バルトロマイの像なども彫られている。礎石が置かれた1882年のヴァチカンの教皇庁の記念碑も立っている。

教会内部に入ると、現代的な白い柱が天に向かって林立している。中央の祭壇の上には、傘に吊るされて天に昇っているかのように十字架に磔刑されたイエスが顕示されている。
ガウディは何度も模型を作り、教会建築の柱や壁の強度を調査していた。

色彩を建築資材の一つと考えていたガウディは、ステンド・グラスを使い採光に留意した。
朝は東側から清々しい青い光、夕刻は西側から暖かいオレンジ色の光が差し込むように設計した。

教会西側(ファサードの反対側)の出入口の横に教会博物館がある。
教会の模型、外壁の細部の彫刻モデル、ガウディ建築をパネルで紹介している。
ガウディの仕事部屋も再現されている。ガウディの仕事部屋は1936年まで実存していたが、スペイン革命軍が破壊した。その時に主祭壇の地下にあったガウディの墓も暴かれ、遺体は遺棄された。ガウディの仕事部屋は、近年教会博物館内に再現された。

博物館の出口にはミュージアム・ショップがある。商品構成も幅広く、ガウディ・グッズが目白押し。ここまで品揃えが多い教会ショップも珍しい。おみやげ購入者も多いので、時間に余裕を持たせていた方が賢明。

サグラダ・ファミリアは、宗教施設というよりむしろ美術館に近い。
コロナ前年には490万人の訪問者があったほどスペインで最も人気のある観光地。訪問にはまずサイトでの予約が必要。時間帯も指定しなければならない。お勧めは、早めの午前中。10時頃までは比較的空いている。チケット・チェックの後にセキュリティ・コントロールがあり、さらにもう一度チケット検査がある。堂内に入ると、午前中でも混んでいることが多い。

注:一般信者、信者団体のために主祭壇の下に礼拝堂があり、日常のミサがおこなわれる。観光客は入場不可。ミサ参列希望者は、教会に要申請。

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