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真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である

昨日終わった東京都都知事選で色々な番狂わせがあったわけですが、それについてツラツラと考えたことなどを。基本雑談で。

NHK 選挙WEBによる一覧がこちら。

一位こそ順当に現職小池百合子氏(2,918,015票(42.8%))だったわけですが、それを猛追していると思われていた蓮舫氏がまさかの三位(1,283,262票(18.8%))で、二位には元安芸高田市市長の石丸伸二氏(1,658,363(24.3%))という結果に。
番狂わせはこれだけではなく、Colaboなどの一般社団法人に対する東京都の不明瞭な支出を追求して(ネット/SNSでは)一躍時の人になった暇空茜(ひまそらあかね)氏が、なんとロクな選挙活動をしていなかった(政見放送無し告示ポスター無し、そもそも人前に出ていない)にも関わらずまさかの七位(110,196(1.6%))という結果に。当人や支持者は「惨敗」とか言っているようですが、普通は快挙という言葉がふさわしい出来事なんじゃないでしょうか。一部では「ネットの底力を見せつけた/選挙戦略を大きく練り直す必要がある」という声まででているようです。

ただ、個人的にはそれは早計で。ネットの底力を見せつけたというより、蓮舫さんは味方/支持者の、暇空茜さんはアンチの自爆が原因でこういう番狂わせが起きたのではないかと考えるのですよ。

アメリカ合衆国などでは、議員選挙/大統領選挙ともなれば相手陣営/対抗馬に対するネガティブキャンペーンに数百万ドルとも言われるお金が流れていると聞き及びますが、今回の都知事選でも蓮舫さんの陣営はお家芸である批判キャンペーで選挙戦を闘っていたと聞き及んでいます。逆に「都知事になって何がしたいのか」という点が不明瞭だったという指摘もありますので、闘い方も間違えていたのだろうなとは思うんですが、その流れで一番まずかったのが小池百合子氏の選挙演説妨害ではなかったか。
看板やプラカード等で不支持を示すだけならともかく、演説中にヤジを飛ばすことで集まった人々に演説を聞かせなかった/悪質と受け止められても仕方ない方法で妨害した。これがいけなかったのではないか、と考えるわけです。
X(Twitter)でもその話が出ていて、自分のタイムラインだけでもけっこうな批判が流れていたのですが、ではそれに対する反省の弁が語られるかといえば否で。逆に「民主的/弱者側の闘争としては当然の行い」といったような感じで擁護する言動のほうが多い。しかしそれは身内に対しては説得力があっても、小池さん支持派はもちろん中立の立場にいた人々にもそう受け止められるかといえば、当然Noでしょう。先鋭化しやすい SNSでは支持派・中立に対して「敵認定」のような姿勢を見せる人々もいたようで。蓮舫さん自身がどうこうというより、「こんな人々」が支持を表明している人物に対して好感を持て、というのは無理な話ではないか、と思います。どうでしょうねえ。

ベクトルは異なりますが、これとよく似た話になったのがアンチ暇空茜で。一番わかりやすい/大迷惑を被ったのが氏に対する支持を表明された岩下和了さんではないかと考えます。岩下の新生姜を売っている会社の社長さんですね。御本人に対する批判が集まっただけでなく、会社の取引先にまで電凸を行って取引停止を求める人達がいたそうで。ストーカー被害のようなものだと書けば理解も早いかと。逆にアンチがそんなことをするから「買って応援」と、取引先(たこ焼き屋さん等)に足を運ぶ人、商品を多く求める人達が出たそうなんですが、味わった恐怖や心理的プレッシャーはそれでは相殺はされないでしょうね。掛ける言葉もありません。

ただ、どういう力学が働いているのかわかりかねますが、不正会計追求の話の時点から一貫して暇空茜さんの名前はマスコミ等で報道されることが無く、SNSを除けば知名度は無いに等しい方でもあったわけですよ。Colaboやフェミニズムに(アンチとして)関心がある人にだけ知られた名前だ、と言ってもあながち間違いとはいえないのではないか、というのが実情で。それが今回のアンチ騒動で大きく名前が知られることとなった面はあるわけです。中日スポーツさんという限られた紙面ではありますが報道もされたわけで。性格の悪い私なんか自作自演を疑ったくらいです。
見方を変えると「これまで暇空茜に関心が無かった人達にその名を意識させる大きな要因になった」とも言えるわけで。アンチが騒いだおかげで無名の新人が著名人に/意識される人になった、という面はあるわけですよ。意外にこれは大きかったのではないかと考えるのですが、どうでしょうねえ。

ただまあ難しいのはこれ「狙ってできることではない」ということで。ネガティブキャンペーンの逆効果にしろアンチにしろ、自作自演でそれをすれば効果が出るかと考えると、たぶん無理でしょう(笑)。「天網恢恢疎にして漏らさず/悪事千里を走る/人の口に戸は建てられぬ」と言いますが、狙ってネガティブなことをしてもそれは結局は見抜かれてしまうのではないか、と考えます。良い例が蓮舫さんの事例ですよね。ネガティブな攻撃ばかりだと逆に自分の足元が崩れていく。二位に躍り出た石丸伸二さんは、古巣の安芸高田市では必ずしも評判の良い方ではなかったようですが、今回の選挙期間中はずうっと足で都内を回って訴えていたそうで。暇空さんのケースはあくまでも例外で、そういった活動の結果が二位として現れたのではないか、と考えます。逆に言えば、だからこそ暇空茜さんの結果が色々と意味を持ってくるわけですが…

小池百合子さんも、失礼ながら、そこそこのお年ですので四年後には引退を表明されるのではないかと考えます。そうなると今度は勝者が容易にはわからない選挙となるわけで。今回の選挙戦を踏まえて四年後に誰が都知事の椅子を射止めるか、都民ではないので他人事ではありますが(笑)、若干興味が沸かないではないですね…


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