僕の中の勝ち組の僕


休日、僕は決まってお昼過ぎに目を覚ます。

眠い目をこすりながら一直線にキッチンに向かい、換気扇の下で無意識のうちに煙草に火をつける。特に何も考えず、約5分があっけなく過ぎていく。煙草を吸い終えると当たり前のように、僕は何も考えることなく寝床に戻りまた眠りにつく。正直本当にこの煙草を吸いたいのかは分からない。吸わなければいけないとプログラミングされているのではないかとふと思うこともしばしば。

また数時間が経ち、今度は目覚めるという意思を持ってまたキッチンに向かう。本日二回目の煙草に火をつけ、今日は何をしようか考える。誰か友達を誘って出かけるか?このまま今日は寝て過ごそうか?5分という時間で色々考えるが、一人でパチンコという結果にいつもなってしまう。僕は友達と遊ぶのは嫌いじゃない。むしろ好きの部類に入るが、どうせ暇じゃない、今から誘って断られるのもなんかなぁ、と考えてしまう結果が一人行動。

適当な服に着替え、洗顔、歯磨きを済ませ勢いよく家を出る。

パチンコは家族の影響で始めた。熱狂的なギャンブラーというのは父親くらいで他はたしなむ程度だが、僕の家族は全員パチンコをする。ちなみに僕は、強面でガタイのいい父親と、外見から優しさが滲み出ている母親、四つ歳上の弟思いの姉の四人家族だ。僕は良くも悪くも内面は父親似なので、ギャンブルにもすぐハマってしまった。本当に血は争えない。

パチンコ屋へ向かう車では、好きな音楽を聴きながら大熱唱して興奮気味に目的地へ向かう。早い時で三時間、遅い時は午後の十時過ぎまでお店にいる。帰りの車の中は、、、想像にお任せしよう。

家に着き、ここで初めて食べ物を口にする。僕は基本的に休みの日は一食しか食べない。一日の大半寝ているという理由もあるが、昔から空腹は人より我慢出来るほうだと思う。七割がコンビニで買ったご飯、三割程度で外で食事を済ます。食事を終え、当然のように煙草に火をつける。この時一日の振り返りをしようにも大したこともしていないし、謎に虚無感に襲われそうなので特に何も考えないようにしている。煙草を吸い終え、少し部屋の片づけをし、シャワーを浴びて、歯を磨き、寝床へ向かう。少し携帯をいじり、気づけば夢の中。

今紹介した僕の休日の過ごし方は、パラレルワールドにいるだろう僕の休日だ。確かに今noteを書いている僕も同じ休日の過ごし方をしていたが昔の話だ。あの日僕は運良く、勝ち組の方の僕になったと思う。

あの日というのは、僕のnoteのメインヒロインである彼女と出会った日の事だ。あの日彼女に出会っていなかったら、今頃僕はパラレルワールドの僕と同じだったかもしれない。

だから僕はこう伝えたい。彼女、僕と出会ってくれてありがとう。パラレルワールドの僕、ごめんな、お前なりに頑張れよ。僕とは違う幸せを掴めるよう祈ってるよ。そして僕、よくやった。お前は勝ち組だ。

今の僕の休日は、良くも悪くも暇ではなくなった。それも良くも悪くも彼女のおかげだ。このまま勝ち組の僕で終われるように、他のパラレルワールドの僕に勝ち組の僕を奪われないように、僕は頑張ろうと思う。

僕の人生勝ち組になれた重要な日、『あの日』の話は、また今度するとかしないとか、、、

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