見出し画像

個人飲食店オーナーの現状①【借金編】

しがない熊本馬料理屋です。開業して1年6か月になります。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、緊急事態宣言、3密を避けるための飲食店への営業時間短縮要請など、飲食店の売上低迷、営業自粛や時短営業していることはよくメディアにも取り上げられています。
こんな売上では店を継続できない、店を閉めざるを得ない、そんな声もよく聞こえてきます。

ただ、メディアではそこまでしか取り上げてないですし、数字的に何故苦しいのか、もう一歩踏み込んだ話がありません。

飲食店をやっております一個人事業主としまして、メディアで取り上げられている以上に現状は苦しく、正しく現飲食店の状況を伝え、支援策に対する今後の未来がどのように見えているのかを、飲食店の立場で発信したいと強く思い、この記事を書くことに致しました。

批判、否定するための記事ではありません、現状を知っていただき、飲食店全体を応援していただきたいためにこの記事を書いております。

まずは飲食店を開業するまでの資金関係を私の実例を交えて書かせて頂きます。

私の場合、大きい店舗ではないため、公庫から融資1000万円と、他行から運転資金200万円融資を借りて営業スタート。だいたいの月返済額は13万円ほどです。 

今回のコロナ対策融資、無利子、無担保と言われておりますが、実質の無利子期間は3年、要するに4年目からは1.35%〜利子がかかります。据置期間を設けてありますが、10年返済として最長の5年据置をした場合、5年で全額を返さないといけなくなります。

500万円借金、10年返済の場合、最初の3年は元本のみ、月々約41,667円の返済。4年目以降、月々約45,700円となります。
 ※据置5年をした場合、5年目まで利子のみ(3年目までは無利子)、
  その後(6年目~10年)元本+利子=月々86,246円

開業時の借入返済を加えると月々約18万円の返済をしなければなりません。もちろん、利益はありませんので、マイナスは重なります。

これはあくまでも借金です。当然ながら返さないといけないお金。借りないのが一番ですが、もう通帳残高は100万円を割り込む状況です。

※実際、500万円、10年返済(据置なし)で申請いたしました。

店を閉めてやり直すのもできない状況です。こちらはまたpart2で詳しくお話いたします。

仮に今すぐお店を閉めてやり直そうとした場合でも、もちろん借金(月々の返済)は残ります。サラリーマン時代の給料を考えても、到底返せる金額(当時月給総支給で35万円くらいもらっておりましたが)ではありません。

店の売上利益 ― 返済額 = 給料

現在のコロナ影響後(3月以降の売上予測)の売上では、給料日に「君は成績が良くなかったから今月は会社に25万円払ってくれ」と言われている計算になります。
 ※1等立地ではないので、ようやく常連様にも恵まれ、2020年2月に
  黒字化が安定し、ようやく軌道に乗ってきたところでした

もちろんそこから生活費(家賃、食費、光熱費、税金など)が引かれるので毎月40万円ほどの赤字になる予想です。500万円融資も返済を考えると12ヶ月ほどで底を尽きます。

このような状況の飲食店は少なくありません。

しかも、借金ですので返済しながら生活をしなければならない…。
追加融資で更に返済額も増えます。

そうなりますと、返済金額18万円(初期投資分が残り9年、今回のコロナ融資が10年)は今後約9年間払い続けることになります。
「あと9年間か…、約2,000万円の返済…」、という未来が見えてます。

これでも私はまだマシな方かもしれません、こんな飲食店は山ほどあるでしょう。

先に書きましたように、批判、否定の記事ではありません。この状況が落ち着いたら、本当に飲食店に協力して欲しいという想いでこちらを書かせていただきました。
数字的に飲食店がどのような立場に立たされているのか。

乱筆ご覧いただきまして、ありがとうございました。

次回は何故やりなおせないのかをお伝えしたいと思います。

※もし記事の内容が少しでも共感していただけたら、下の「記事を購入する」ボタンを押して投げ銭で応援してもらえると嬉しいです。

ここから先は

0字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?