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個人飲食店オーナーの現状②【家賃編】

しがない熊本馬料理屋です。開業して1年6か月になります。


個人飲食店オーナーの現状①【借金編】を読んでくださった方、スキ、フォロー、ご支援いただいた方、この場を借りて感謝申し上げます。


新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、緊急事態宣言、飲食店への営業時間短縮要請など、飲食店の売上低迷、こんな売上では店を継続できない、店を閉めざるを得ない、そんな報道も増えてきております。
今回も私の過去を踏まえながら、新型コロナウイルス後の未来がどのように見えているのか、飲食店の立場で発信したいと強く想い、どれほど今の状態が厳しいのかご理解いただき、飲食店全体を応援していただきたいためこの記事を書いております。

Part①「個人飲食店オーナーの現状①【借金編】」で資金繰りのお話をさせていただきました。Part②では「資金繰りの中でも大きな出費となる家賃」と、「廃業を考えたときの解約」について書かしていただきます。

1)飲食店での家賃契約時の出費

飲食店などの事業用賃貸は自宅賃貸と契約形態等違いが沢山あります。例えば事業用の場合、消費税がかかり、敷金、礼金以外に保証金が必要になります。私が賃貸契約した時の事例を交えて、数字的にご説明します。

まず、契約時に必要だったお金です。礼金50万円、保証金150万円(6か月分)、前家賃1か月分、仲介手数料1か月分、ざっと約260万円です。
お店を借りるだけでまずこれだけのお金が必要になります。

もちろん、これ以外に内装費(居抜き造作物代込み)、厨房設備、看板、イス、テーブルなどで約800万円、諸々の備品、食器、ガスの開栓設置(業務用は有料15万円くらい)、採用費、宣伝費、諸官庁への手数料などなど、家賃初期費用と合わせて1,200万円くらいかかりました。

2)減額交渉、契約年数の怖さ

契約内容によりますが、契約年数は5年くらいが普通だと思います。私は知識不足で3年、しかも転貸契約(別会社が間に入っている)のため家賃は割高です。家賃交渉もあまりやりすぎると、契約書上、3年の契約満了の5ヶ月前に契約更新をしない旨を受けてしまえば、私は借金を残したままこの物件から出ていかなければならないという事実が目の前にあります。あまり強気な交渉ができないのが現状です。

3)廃業を考えたとき解約までの期間

「もう採算が取れない」と腹をくくっても、直ぐに解約できるわけではありません。私の契約の場合、解約するには6ヶ月前の告知が必要で、6ヶ月間の支払い義務が発生します。
    ※次の借手がみつかれば免除となりますが

上記いたしました、契約時の補償金は残った家賃に対し充当されない(保証金を今後の家賃として支払いができない)契約がほとんどです。要するに、6ヶ月後の家賃支払いをした後に帰ってくるお金です。

私が廃業を決断した場合の6か月間の家賃を計算すると、

28万円 × 6ヶ月 =  168万円  の支払いが必要です。

しかもPart1でお話ししましたように、月々の借金の返済もあります。今度のコロナ対策借入を含めて足し込みますと、その6か月間の返済金額は、

18万円 × 6ヶ月 = 108万円

6ヶ月で合計276万円、これは私の生活費(家賃、税金、食費、光熱費など)は一切入っていません。極論、給料が全くない状態で、この金額を支払わないといけません。保証金が戻るまで資金が持ちません。

もちろん、これ以降も借金の返済は約10年続きます。

年収1,000万円の転職に成功したら、返せるかもしれませんが…。

結論、私たちのような個人飲食店経営者には辞めるという選択肢すら無い状態なのです。ですので、何としても生き延びて、復活を図ろうと日々奮闘しております。

自己破産の文字は常に傍らに感じております。復活できなければ、自己破産の選択肢しか無い状態です。何としても足掻き続け、やり続けるしかないのです。

このような現状を知ってもらい、皆様のご贔屓されているお店に少しでも支援していただきたいという想いで今回も書かせていただきました。

乱筆、長文、読んでいただきましてありがとうございます。

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