【漫画エッセイ】母が大動脈瘤破裂で運ばれました【episode23|「高額療養費制度」を賢く使おうぜ】【家族が入院したらやっておきたいこと】
■このシリーズの続きです■
今回母が入院したのですが、高額療養費制度と限度額適用認定証のおかげで、退院時の精算が100万241円→17万4075円(ー82万6166円)になりました。
この制度についてアンケートを行った結果twitter、Facebookでそれぞれこんな結果が出ました。
なるほどー。
まだまだ知らない人もいそうだったので、家族や大切な人が入院した時には知っておいて欲しいなと思いまとめることにしました。
<退院時の支払いの負担を軽くするためにすること>
<余談あれこれ>
自分や周りの人が、大きな病気にかかったり手術をした経験がないと、そういう時って「ものすごいお金がかかるんじゃないか」と想像すると思います。
わたしも、実際父が癌になったり母が大動脈瘤破裂で倒れるまでそうでした。
しくみについての知識があると、突然何かが起きた時に落ち着いて対処できたり、周りの人の安心を作ることができて役に立つので、今日は医療費の負担を軽くする制度について記事にします。
テーマになっている高額療養費制度と限度額適用認定証については色々なサイトで紹介されています。じっくり・細かく・詳しく知りたい人はそちらの記事を参考にしてください。(記事の中にリンクを貼りました)
今回は自分がせっかく書くので、直感的なわかりやすさを大切にして、
ざっくり・大まかに・結局どういうことなのさ
ということがダイジェストで簡単に分かるものを目指して書いていこうと思います。※2018年11月29日時点の情報を元に書いています。
それではスタート!
(1)高額療養費制度とは?
医療費がえらく高い金額になってしまった時に、決められた限度額まで安くなる制度です。
この制度は「一旦、請求金額を払ってから後日返してもらう」という流れなので、とりあえず一時的にえらく高いままお金を支払います。
そして、手続きの関係で差額が返ってくるのは3〜4ヶ月後なので、ちょっと気長に待つ必要があります。
(2)限度額適用認定証とは
どうせ返ってくるなら
最初からその額を引いた金額にしといてよ〜
『OK、そうしましょう。』
この流れにするために必要なのが、限度額認定証です。
これを先に医療機関の窓口に出しておくことで、「後から返ってくる」という面倒な手順なしで、最初から限度額まで安くなった金額で請求書が出てきます。
ね、すごいでしょ。
家族の中で誰か一人でも知っていると、便利な知識だと思います。
冒頭のマンガで限度額適用認定証の入手の流れは書いたので、ここからは補足と注意点をいくつか紹介しようと思います。
(3)限度額適用認定証はどこでもらえるの?
マンガにも書いたように、まず保険証を見て「本人がどこの健康保健に入っているか」をチェックしてください。
生命保険じゃないよ、健康保険の方ね。
(大体の人は国民健康保険か社会保険に入っているはず。)
それによって、窓口が変わります。
<参考:「限度額適用認定証」の貰い方の部分に詳しく書いてあります。>
母は父の会社の保険に扶養家族として入っているのですが、父は「会社でそういうのをいつもやってくれる係の人がいるから頼んでくるわ」といって問い合わせに行きました。
その他にも、窓口に直接行く、電話、郵送、HPから取り寄せるなど色々な方法があるようです。
(3)限度額はいくらなの?
これは人によって違います。所得と年齢、外来のみか入院もありかによって分けられています。
こちらのサイトに表があるので調べることができます。
<参考:全国健康保健協会さんのページ>
じっくり調べたら、どこの区分に該当するかわかると思いますが、
ぶっちゃけ見てもよくわからない人は
とりあえず限度額適用認定証を入手して
医療機関に出しておけばいいと思います。
これから区分を変えたりどうこうできる話じゃないので、請求書が出てきてから「あ、この区分に該当したんだ!」と確認する時に表を見たらいいと思います。(わたしもそうでした。)
たくさん稼いでいる人は限度額が高め、ささやかに稼いでいる人には限度額低めで設定されているようです。
(4)限度額認定証は全員出さないといけないの?
『70歳以上の一部の人は出さなくてもOKです。』
これも、読み解きづらくて困ったことの1つです。
平成30年8月診療分から70歳以上の方のうち、所得区分が現役並みⅠ、現役並みⅡの人は限度額認定証が必要。その他の区分の人は必要なし。
説明にはこうあります。
母は70歳ジャストだったので「え、出さなくていいの?お母さん仕事はしてないよ?」「いや、俺(父)の所得の話じゃないか?」と10秒くらい家族会議が行われた後に、
『自分たちで考えてもわからないから詳しい人に任せよう』
ということになり、大雑把な我が家は「限度額認定証下さいな」と問い合わせてみることにしました。
結果、「必要ありません。自動的に限度額が適用されますよ」という回答が返ってきたので、何も発行されず問題は解決しました。
わからなかったら、とりあえず問い合わせてみましょう。
(5)限度額は月ごとの適用
限度額は月ごとに適用されます。30日ごとではないので試算する際にはご注意を。
(6)限度額が適用されるのは、医療費分のみ
医療機関で支払う金額は、
保険診察分+食事負担分+一般料金の合算になります。
保険診察分はいわゆる医療費。限度額が適用されるのはこの部分のみです。
食事負担分はその名の通り食費。
一般料金は病室の部屋代や、タオル・パジャマ・おむつなどの料金です。
最終的な計算では、これらが合算されて請求書に乗ります。
(7)まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
最後に今回の母の入院の請求書を使って、ここまでの情報を振り返ってみたいと思います。
今回の請求書はこちら。
どんっ。
まず、入院期間が2ヶ月にまたがっているので、10月分・11月分と請求書が分かれています。
もし、後から返すパターン(通常の高額療養費制度)だったら、10月の医療費は838,432円、11月の医療費は102,934円。一旦1,000,241円を支払って、3〜4ヶ月後に826,166円返ってくるという流れになるのですが、限度額が適用されているので、どちらの月も医療費は57,600円になり、支払う金額の負担が軽減されています。
母は結局、どの区分だったのでしょうか?
先ほど紹介したサイトの表で確認すると、70歳以上の一般所得者というところに該当していたようです。(こちらから画像をお借りしました。https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3020/r151)
以上、高額療養費制度と限度額適用認定証についてのまとめでした!
いざという時に、役立ててみて下さい!
J humind association 清水楚央
<参考:しっかり書いてあってわかりやすいサイト>
<関連記事:医療費はいくらかかったの?>
→次のお話<番外編:思い出せ、魔法を>
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