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『Jリーグジャッジリプレイ #32』感想【DAZN配信番組】

FC東京-鹿島 5分のアレ

1つ目の論点である町田(鹿島)のボレーシュートがディエゴ・オリヴェイラ(FC東京)の手に当たった件については、「手がボールに行った」というよりは「ボールが手に来た」という感じだからジャッジ通りノーハンドで良いかなと感じる。
で、2つ目の論点。その後ボールにプレーしにいった関川(鹿島)の踵辺りにクリアの空振りとなったディエゴ・オリヴェイラの振り足が当たってしまう。ディエゴ・オリヴェイラに悪意があるように見えなかったが、結果的にアフターで関川の足を蹴っている訳だから、ファウルでPKにすべきと感じた。
だが、スタジオの奥谷さんの見解では「関川は足裏を向けてボールにプレーしている」とのことで、むしろ関川の方が危険なプレーとのこと。なるほど、確かに言われてみればそうかもしれない。となると、当該シーンはディエゴ・オリヴェイラのプレーと関川のプレーを相殺した結果、どちらのファウルも取らずにスローインで再開ということになるだろう。それであれば個人的には納得がいく。
とはいえ当該シーンは見る人によって見解が異なるだろう。
珍しくスタジオの出演者でも意見が別れていた。まあ、意見が別れている方が議論は楽しいので、それで良いと思うし、むしろこういう時こそ積極的に議論して頂きたいと思う。

同 89分のアレ

ノーマルスピードの映像を見ただけではこれでイエローカード、もっと言えばオフサイドじゃなければPKとなった当該シーンでのジャッジはやや厳しいのではと感じた。が、リプレイを見れば見るほど児玉(FC東京)が足裏で上田(鹿島)を蹴っている、とまではいかないが接触している。そうなるとラフプレーでイエローカードは仕方ないのかなと思う。あと奥谷さん曰く、当該シーンに至るまでの試合の雰囲気等も加味してゲームコントロールの一環としてやや厳しめにイエローカードを出した説もあるとのこと。その辺も含めてレフェリーは大変だよなあ。
因みに、オフサイドディレイ中のプレーに関しては、ラフプレーではイエロー・レッドカードが出せ、DOGSOやSPAのタクティカルファウルであればカードは出せないとのこと。つまり極端な話、オフサイドディレイ中のプレーでDF選手が相手FWの顔を殴るような行為をすればレッドカードが出る。一方で、DFが相手FWに対してDOGSOとなるプレーをしてもオフサイドディレイ中であればレッドカードは出ないということだ。なるほど、この点も非常に参考になる。

湘南-横浜FC 48分のアレ

自分が横浜FCサポーターとしてゴール裏に居たら間違いなく「PKだろー!」と叫んでいた当該シーン笑。ぱっと見PKのように見えるが、確かにコンタクトの割に最後の松尾(横浜FC)の倒れ方がオーバーな気がする。ペナルティエリア内でファウルと言える程のコンタクトではなかったと思うので、VARチェックも入った上でのノーファウル・PK無しのジャッジは納得がいく。が、その直前のエリア外で石原(湘南)が手を使ったプレーは個人的にファウルと思うので、エリアちょい外でのFKというジャッジが妥当だったのかなと思う。とはいえ、そこに関してはVARが介入できないので仕方ない。
結果論だが、当該シーンによってPKやりFKなりが発生し、その結果横浜FCに得点が入っていれば、横浜FCはJ1残留を争う直接対決で勝ち点6を失わずに勝ち点1を得られた。横浜FCサポーター的には残念だろう。。

セレッソ-マリノス 21分のアレ
(ジャッジメントワンポイント講座)

自分のTwitterのTLで話題になっていた当該シーン。
DAZNの中継映像を切り取った画像を見る限りでは個人的にオフサイドにしか見えないが。。。
とは言え、現状JリーグではVARでのオフサイド判定は2Dラインの為、証拠不十分でオフサイドとは言い切れない。つまり、オンサイドという当該シーンでのジャッジが明らかな間違いではないということになる。だから、VARは介入できないというロジックである。
プレミアリーグとかで導入している3Dラインはかっこよくて(笑)、Jリーグでも導入して欲しいと思う。しかしその分、普通にすごい技術だと思うし、2Dに比べて相当コストがかかるのだろう。また、そこまでして厳密にオフサイドのジャッジする必要があるのかという疑問も湧く。
あと、原さんが仰っていたVARがジャッジに使ったオフィシャルなオフサイドラインの公開は是非やって頂きたい。当該シーンに関してもSNS上ではサッカーファン個人個人が自前で作成したオフサイドラインが点在していた。どうせ議論するならそういう非公式なオフサイドラインでなく公式なものを題材にした方が建設的だ。是非とも来シーズンの頭からのオフサイドラインの公開を期待したい!
あと、今回初めて知ったのだけど、相手選手ではなくてボールがオフサイドラインになることがあるんだな。知らなかった。。。

競技規則 第11条 オフサイド
オフサイドポジション
競技者は、次の場合オフサイドポジションにいることになる。
・競技者がボールおよび後方から2人目の相手競技者より相手競技者のゴールラインに近い。

その他参考記事

京都-山口 88分のアレ

そして、最後に紹介された我らがレノファ山口の試合。
この試合は私も現地で観ていたが、当該シーンとは逆サイドのゴール裏で観ていた為、ラインを割っていたかどうかは全く分からなかった。「なんかよく分からんけど、クロスバー当たってギリギリ入らなかったみたい。良かったー…」というのが当時の自分の感想だ笑。
で、試合後にTwitterを見ると、「VAR無くて良かった」と安堵しているレノファサポーターの姿が散見。更に母親からの「VAR無くて良かったね笑」とのLINE。それで当該シーンについて知る。
リプレイ映像を見る限り、明らかにゴールラインは割っている。これはファクトだろう。しかし、先述の通りJ2にはVARが無い。ノーゴールとジャッジされればそこはもう動かない。当該シーンを主審及び副審で毎回正確にジャッジするのは非常に難しいだろう。となると、VARとまでは行かなくてもゴールラインテクノロジーは導入してくれと思う。ところが、原さん曰く、ゴールラインテクノロジーの導入コストはVARのそれと大して変わらないらしい。そうなのか。センサ付けるだけの簡単な話ではないんだな。
そうすると、当該シーンの再発防止策ないしは対応として以下の3つの選択肢が個人的には浮かぶ。

① カメラ・センサなどの低コスト化によるVARないしはゴールラインテクノロジーの導入
② 追加副審の導入
③ 「VARの無いリーグ」としてJ2を楽しむ

①に関しては、カメラやセンサといった機器は技術の進歩に伴い年々コストが下がる傾向がある。そこに期待して、将来的な導入を目指すというものである。理想を言えばこれがベストだろう。
②に関しては、①よりも導入コストはかからないと思われるし、現実的だろう。とはいえ、追加副審も人間であるので100%完璧にジャッジできる保証はない。加えて、単純に審判の数的に難しい点もあるそうだ。あと、追加副審ってゴールキーパー以上に暇な時間が多そうだから労働環境的にもなかなか大変そうなイメージがある。以前Jリーグがやっていたように、カップ戦決勝や昇格プレーオフといった重要な試合での追加副審導入はありだと思う。まあ、それならVARで良いよなってことになりそうだが。
で、個人的な落としどころとしては③で良いのではと正直思う。
私はゴリゴリのレノファサポーターであるので、今回VARに救われた側である。そんな人間が「J2はVAR無いからしゃーない」と言うと色んな方面からご指摘を受けるだろうが、やはりこれが現実的なのかなと思う。
結局、J2にVARないしはゴールラインテクノロジーを導入したところで、J3以下のカテゴリーにはそれらが無いままだ。仮にJリーグがめちゃくちゃ頑張ってJ1からJ3まで全てでVAR導入したところで、JFL、社会人、高校の試合にも導入するのは不可能だろう。つまり、どのみち「VARの無いリーグ」は存在する。だとしたらJ2は「VARの無いリーグ」の最高峰として生身の人間がその場で行うジャッジを味わえば良いのではと思う。

(このツイートが素敵だなと感じた。)

もちろん、人間である以上ミスジャッジも起こる。がそこは選手のミスプレーと同じだ。
だからもう、それで良いのかなと思う。導入コストなんてものはゼロだし。
…以上当該シーンに関しては精神論的な結論です…笑。


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