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【BATHTUB】ひとり反省会

昨日、4月に書き始めていた記事をようやく書き終わった。5月には香りのイメージも全部固まっていたにも関わらず、なぜこんなに時間がかかったのか。

①ボナールについての思考が甘いまま、まったくのパッションで書き始めてしまった

②感覚を言語化するスピードと力量不足

ざっと原因はこのへん。

①に関してはそもそもこの『絵画を香水化する』ということ自体が偶発的な妄想ベースである為、ふわっと発生することに起因する。ふわっと始まるから、掘ったらどんな根塊が出て来るのか、根など無いのかなんなのか、その時点では自分でもまるで見えていない。

今回(もそして多分書く次回も)、初回で選んだドンゲンの《カジノのホール》のように、あくまで妄想を主体にした短文にするつもりだった。あまりゴリゴリと美術史的な事を書く気も実はなかった。

しかし香りのイメージを分解してみると、そこにはあの《浴槽、ブルーのハーモニー》を観た印象だけの話にとどまらない要素があちこちめり込んで来ていて、どう組み立て直しても分離が不可能だったわけだ。
“ボナールについて全く知らないわけでもなく、かと言って詳しくはない” 程度の知識で迂闊に足をつけたら割と深くてズブっと持って行かれた。

構成4,5回変えたあたりで諦めた。「いいやもう全部書くわ」……次にまたボナールで妄想する時があったら、もうちょっと短くできるかもね。

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に関しては根深い課題で、今回に限った事ではない。
要は文章を書く・文章を読む・考え事をする量と時間が圧倒的に足りていない。
Twitter廃人気味で毎日何かしら自発的に文章は書くが、感覚を言葉に下ろしてくる作業は(それこそ感覚的な話ではあるが)もう少し踏み込んだ脳味噌を遣う。

かなり昔とは言え1度は訓練した事なので、全く出来ないわけではなくとも……時間がかかる〜遅い〜我ながら鈍い〜記憶の片隅に合う語彙の残像が引っかかってるけど日常生活で使わない単語すぎて全く引っ張り出せる気がしない〜〜!!!

そう、この『日常生活で使わなすぎて、チューニングにいちいち手間暇労力がかかる』問題も相当大きい。思い出せば新卒の頃、あまりにも日常で口にする言葉の種類が変わってしまって、仕事以外の時間にうまく喋れなくなった。

文章を書くとき、ある程度スピードがないと書き切らないうちに失速したり、感覚の鮮度が落ちて当初の色が戻らなかったり色々と困ったことになる。
かと言ってカッ飛ばせばいいわけでもないのだ。最初にふわっと浮いてきた『感覚』を言葉にした時、極力ズレが生じないように細心の注意を払っていたい。その精度も上げたいし、無論見切り発車を赦してはならぬ。
自戒ですよ、自戒。

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 しばらく別の文章に取り組む予定なので、次回は未定。けれど私もやはり『かかずにはいられずかく』わけだから、懲りずにまた抱え込むかもしれない。
よかろう。考える葦でいたい。

(以下2023年5月追記)
久々にこの記事を読み返したのだが、この頃と今現在で私のカキモノ環境はかなり変化した。
15年に及ぶ膠着状態がようやく少し動いたのだが、果たしてどうなることやら。

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