「育休をとってくれるなんていい旦那さんだね」にモヤモヤした話
先日9月3日に第一子を出産しました!
現在、夫との3人暮らしを満喫中。そんな今、感じる違和感を残したいと思います。それは、夫が4ヶ月の育休を取得しているとほぼ100%でいただくこんなリアクションについて。
「育休とってくれるなんて素敵なパパ!」「おむつも変えてくれるの?」「夜勤(夜のミルク&寝かしつけ)してくれるのすごいね」「夫に見てもらって1人でお出かけしてるの羨ましい!」
褒めていただいているのに、小さな違和感。私にとって夫が育休を取得することも、オムツを変えることも、夜勤も、全てがあたりまえで。2人ともフルタイムで働いている以上、家事+育児を50%で担当することは自然そのものだと思っているけれど、ほとんどの家庭ではそうではないんだなあと。
双方の役割を決めている家庭についてはまったく何も思わないのですが、家事は分担しても、育児になった途端にほとんどの人が「女性が主役」の呪いにかかってしまうことにモヤモヤしています。
「うちの夫はすごい面倒みてくれるよ!」と話す人もいるけれど、そもそも「夫は○○してくれる」という認識、おかしくないですか?「オムツ変えてくれるなんていい奥さんですね」って言う人はいないのに。
※パートナーに感謝することを否定しているわけでも、女性が育児の主体になることを否定しているわけでもありません!無意識のうちに女性が主役になる現象に違和感があるだけです。
(毎日、朝日を眺めてた産後病室から。出産まじで痛かったな…)
「子育ての主役はママ」は女性自身がかけている呪いかも
女性が男性側に「してくれている」と感じてしまうのはなぜなのか。
発見だったのは、出産の入院期間中に得られる経験差によって「主役」の人格が芽生えるんだなということ。オムツ替え、抱っこのバリエーション、服の組み合わせ、寝かしつけのタイミング・・・まじで知らないことだらけ。すべてがはじめてなので入院や里帰り期間で得られる知識が0と1では雲泥の差なのです。
(退院した日。iPhoneよりちいさい顔!)
この経験値の差のまま一緒に暮らす日を迎えると、女性が、男性を指導する立場になる。おそらく、男性も意気込んで抱っこやオムツ替えに取り組むも、女性より手慣れておらず「違うよ、そうじゃないよ」「もっとこうやってよ」と随時フィードバックが飛んでくる家庭が多いと思う。女性は出産の入院&里帰りで圧倒的にナレッジが溜まっていて、スタートラインが違う。先輩と後輩的な。
ただ、先輩も初めての重大プロジェクト(育児)を大怪我しながら立ち上げた(出産)直後から連日の深夜労働(夜泣き対応)と心のゆとりが本当にない。
(出産直後は3時間まとまって寝ることなんてないしamazonを開くのすら億劫だったし、スーパーに行ったら色の多さにめまいがしたし、息子はこの体勢じゃないとお昼寝してくれなかった。)
その結果、後輩(男性)側とのタスク分担を考える余裕がなく、後輩の知識のなさや、手際の悪さにもどかしくなり「もうわたしがやったほうが早いし安心」と後輩からタスクを巻き取るようになる。
こうして「夫は言ったことしかしない」「(通常はわたしがやるけど)今日は○○をしてくれた」ができあがるのかなあと。疲労困憊の身体で、人に何かを伝えるってしんどいから「なんで率先してくれないの」と思うのは当然だと思う。
ただ、たった1回の経験でしかないけれど、先に経験値を積む女性側のすこしの意識次第で変えられることもあるかも…と思ったりしてます。
知見をシェアしまくって、任せて、主役になる
わたしは1人で子育てする自信が皆無だったので、この後輩育成失敗パターンを避けるべく妊娠中から「知見はフルで共有する」ことを心がけてました。
妊娠中は出産のリスクや辛さ、出産後について。
「出産の痛みは麻酔なしで小指を切り落とすのと同程度」「流産は全妊娠の15%もある」「出産後は自律神経を整えるエストロゲンが1000分の1になる」「約10%の母親が産後うつになる」「離婚した子持ち夫婦の4割が産後2年で離婚している」・・・
(マギル大学の研究結果より *おとめクリニックHPより引用)
めちゃくちゃ大変!をなるべくファクトベースで実感を持ってもらいました。弊社代表に激推しされた「産後クライシス」もしっかり読みました。
あとはBabyプラスで今の胎児の様子を知って、いっしょに成長を実感したり。
出産後は息子の変化や学んだことを「今週の学び」として即シェア。
「新生児は4時間ミルクを飲まないと低血糖になる」「しゃっくりは放っておいてもOK」「タオルが鼻にかかっただけで亡くなることもある」「今は1時間半起きているのが限界」「ミルクの総量は体重から計算する」「ジーナ式の快眠メソッド」「縦抱きの楽な方法」・・・
あとはぴよログ。快適かつかわいいUIでミルクの量や時間、睡眠時間やワンオペ時の申し送りを細かく共有できる神アプリ。
(先日の夜〜朝の共有メモの一部。夜中は夫、朝はわたし。)
心がけたのは共有しながら「こうやって」ではなく「こうやるといいらしい」「こうやるとうまくいったよ」と話すこと。押し付けないように、相手の主体性や、やる気を失わないように。
そのうえで、おむつ替えや夜勤(夜泣き対応)は1人で担当する。お任せする。うんちが漏れたり、寝かしつけに数十分かかって腕とメンタルが死んだり、昼間に1時間ギャン泣きされるなど、たとえ片方がやったら回避できるかもしれないことも、2人が同じ経験を経ることを意識していました。落とさなければ、死にはしない。
育休は「とってくれる」ものではなく「とるもの」。
そんなこんなで3ヶ月。夫は当たり前に日中も夜も子どもの世話をしています。なんならわたしより長時間息子と過ごしてるし、抱っこもうまい。知見の共有はお互いがしあうものに。
なので「夜泣き対応してくれるなんていい夫だね」と言われると「むむむ?いい夫だけどその次元ではないのですが?」となってしまう。
育休は「妻は当然とる、夫はとってくれると素敵」ではなく「お互いがどんな形でとるかを決める」ものだと思うから。
お互いが子育ての主役としてスタートできると、とても楽しい日々を過ごせるなあと実感する日々。それには、少しの心がけが必要だったので、備忘録にしてみました。
せっかく2人いるなら2人でスタートしたほうが格段にたのしいはず。今しかないふにゃふにゃ期の成長を毎日バタバタキャーキャーしながら見守れるしんどさと楽しさと愛おしさをぜひ男性にも味わってほしい。話し合ったうえで「育休をとらない」選択は当然アリだけど。
願わくば、日本社会から「育休をとってくれるなんていい旦那さんですね」なんて言葉がなくなるといいなと思っています。
(今度は夫が育休を取得することのメリットについて書きたいな)