18だから恋をしよう
恋と愛について考えていたんだけど
恋は心の動きのことを言うのだと思う
じゃあ心はどこにあるのかについて考えていたんだけど
心臓を包んでいる薄い膜なのではと思う
心が動くから心臓が跳ねるし
心が動くから心臓が萎む
この世の中は分からないものほど単純化しようとする傾向がある
心、未来、神…
それに比べて分かりきった具体的な対象ほど、難しい字を書く
恋と愛では心の位置が違っていて
下心とか真心とか言うけどもっと深く考えたい
愛はきっとプレゼント出来るんだと思う
簡単には取り出せないような場所に「心」が仕舞われているように、大事に大事に割れないように包まれている
誰かに贈ったり、貰ったりできるのが愛
今必要ないなら必要になる時までとっておける
恋はすぐどこかに行ってしまう
「心」は何にも包囲されてないからいつでも逃げる準備万端で、言い換えれば、すぐに帰ってきたりする
目を離した瞬間に100m先から手を振っていたりする
恋はすごくはやい
私は今恋をしているのだろうか
高校生になって好きな人が出来て
付き合うことになったけど
なんとなくこれを恋と呼ぶのか疑問に思う
恋っていうのは心の動きのことを指すと思っていて、そういう恋の積み重ねで好きって輪郭がはっきりしてくるんじゃないかと
思うから
恋をした が正しい…気がする
彼氏じゃなくて好きな人って呼びたい
彼氏、という言葉に憧れはあったし、一気に現実感があるし、素敵な響きだなとは感じるけれど
なんか役割みたいな
役柄みたいな、分類している気持ちになる
これは、何かの本にも書いてあったことなんだけど、私は一緒に映画館に行って、一緒にドラえもんを見てくれる人が良い。
その日彼はドラえもんを見るからと言う理由で大きめのポケットのついた服を着て来た。
もちろんその時も私は恋をした。
花火大会に行った。
隣には家族連れ。
花火の近くにヘリコプターが通ったのを見つける。
「お父さあーん、ヘリコプター乗りたい」
指さしながら言う
「いいよ来年乗ろう」
とお父さん
「嘘だよ」
とお母さん
あまりにテンポの早い掛け合いに私たちはしばらく笑った
この瞬間も恋だった
花火が終わって 付き合おうと言われた
好きだなというより、ありがとう と思った
これは恋?
始業式の日の夕方、川まで歩いた
トンボの量が凄まじかったのが
19:00をまわると一気に減った
虫の音に耳を澄ませて、2人で目を瞑って寝たふりをした
たまに目を開けると目の前にコウモリがいたりした
将来とかどうでもいいなと思えた 2人でいるのに1人でいるような感覚になれた
制服のスカートの下は蚊に刺されていた
痒かったけど我慢した
夜中まで電話をした
私は観光名所と美術館が苦手なのでその話をしてみた
彼は、「神社で言うと、大きい門構え潜るより下りの抜け道歩くとかの方が好き」と話してくれた この瞬間も恋だった
はじめてキスをしたのは夏の夜だった
なんか思ってたよりどきどきしなかった
暫くキスをしていたら乗る予定だったバスの時間を過ぎていたので歩いて駅まで向かった
家に着いたのは23:00をまわっていて、お母さんに少し叱られた
人は、たくさんの恋が重なって、やっと、好きを知る。のかなと思う、んだけど、どうですか
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