詩の部屋 18 (2023年1月5日投稿)

  ○ 52

残っているミルクティーをゆっくり飲む
ここには何もないのでやることがない
時間だけはたくさんあるので
どうでもいいことにしっかりと使う
コーヒーはすっかり冷めたのに
猫はまだやって来ない
彼と交わす話題をいくつも思い浮かべておく

  ○ 53

詩の部屋の窓を開けると
外の空気はまだ冷たさが残っている
庭のずっと向こうを飛んでいる鳥は
昨日やって来ていたのとは違う
彼ら彼女らは自分たちの塒(ねぐら)を出て
今日一日やることがたくさんある
私は手持ち無沙汰に鳥たちを見ている

  ○ 54

ふと部屋の床に視線を落とすと
いつの間にか猫がそこにやって来ている
親切心を起こして彼をテーブルの上へと運ぶ
彼は礼をいうこともなく
コーヒーが入ったカップを覗き込む
直ぐに飲まないのは理由(わけ)があるから
私はキッチンの電子レンジでそれを温める直す

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