詩の部屋 17 (2023年1月3日投稿)

  ○ 49

まだぼんやりとしたままの頭を抱えて
なぜこの部屋にいるのかを考えそうになる
その前に気になるのは窓のカーテンが
いつの間にか閉まっていること
それからカーテンの柄が水玉模様なこと
とりあえずカーテンを開けると晴れていて
私はお腹が空いたということに切り替わっている

  ○ 50

キッチンのテーブルの上を見ると
もうパンが盛られている皿がある
冷蔵庫にあるトマトを半分にして
ハムは薄く一枚だけ切り出す
ミルクティーを一人分とコーヒーを一人分入れて
コーヒーは猫のために置く、砂糖壺もいっしょに
この美味しいパンはどこで焼かれたのか気になる

  ○ 51

パンを齧るたびにどこからか声がする
低い男性の声で一々何かを言ってくる
ミルクティーで流し込んでトマトも齧る
どうやらパンを食べるための
特別な作法について講釈しているらしい
残ったパンにハムを乗せて見えるように窓に向かって
美味しそうに食べると声がずっと続く

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