詩の部屋 16 (2023年1月1日投稿)

  ○ 46

ノートの前で肘をついていると
文字の一つが目の前にやって来る
よく見るとノートの一角を指差していて
そこにうっすらと何かが写っている
私は慌てて鉛筆でその写っているものをなぞる
するといくつもの素晴らしい詩が浮かび上がる
目が覚めるとその一節すら思い出せずに

  ○ 47

ぼんやりと目を開けても
ここがどこなのかしばらく分からない
見たこともない天井があって
寝心地もいつもと違う
辺りを見渡しているうちに
記憶の断片が繋がって
私は一応机の上にノートのないのを確認する

  ○ 48

詩の部屋のキッチンへ行きコップへ水を注ぐ
昼間と同じように光を反射するが
起き抜けなのかバラバラの点や線が
ポロポロと床に落ちるだけで
空気にはまだ夜の緊張感が残っている
私はコップの水をごくごく飲む
目覚めてないものがゆっくりと伸びをする

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