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手紙 その2

今し方、贔屓にしている呉服店のとある店員に手紙を書き終わったところです。

その方はとても明るく、ハキハキとしていて、それでいて押し付けがましくない言い回しで、この方に出会って私はようやく着物デビューすることが出来たのです。

拝啓から始まる文章を書いたのはいつぶりでしょうか。
私はもっぱらハガキ道の玄人、坂田道信先生に学び、折に触れては葉書を出してきました。
この店員に出会って名刺をもらった時にも、ハガキを出しました。

何度か着付けの練習に付き合ってくれたり、先日はその方の留守中に長羽織を仕立てることになりまして、その際の不足なところのお電話をいただいたりと、本当によくしてもらっています。

着物を買うのはすごく大変ですね。
まず店構えがすごいし、店員の圧もすごい。
けれど私が通う呉服店は、カジュアル着物から小物まで揃っていて、本当に通いやすい!
店の奥には立派な絹の”ザ・お着物”も展示していて、博物館のような気軽さで、勉強になります。

と、まぁ、こんな調子で嬉しいことづくしで、ついつい手紙の文章が堅苦しくなってしまいました。
だけれども、お互い普段の様子を知っているからこそ、あえて手紙を交わすというのは、もう本当に贅沢な至福のひと時です。

84円の切手とちょっとした便箋があれば手に入るものなのです。
時折、切手が値上がりしたんだなぁとノスタルジックな声が聞こえますが、昔は出していたのに、やめてしまったのだなぁと内心嘆いております。

手に入るものは、時間でも、物でもありません。

ただお互いを想う静かで満たされた感情を手に入れることが出来ます。

一手間をかける。
あらゆる物が早くなった、この情報過多のネット社会でこそ、とても重要で、大切なことではないでしょうか?

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