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フィクション日記

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存在しないアナタの有りもしない1日。
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#彼女

フィクション日記『裕司』

優しい人だとよく言われる。でも決してそうじゃない。
俺は自分が快適に過ごしたいだけなんだ。

今日も乱暴にドアが開く。

「ただいま。」

きっとそこにいるのは、眉間に皺を寄せた見るからに不機嫌な彼女。

「おかえり。」

めいいっぱい、優しい声を飛ばす。
リビングから見えた彼女は、想像通り眉間に深く皺を刻み込んでいた。
これ以上不機嫌になられると面倒だ。
めいいっぱい。優しい顔を作る。

「ご機

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