古巣へのカムバックで気づいたコミュニケーションコストの重要性
古巣へのカムバック
今月から、数年ぶりに古巣のNPOの業務に関わっています。久しぶりの再会を喜んでくれるメンバーに囲まれながら、「コミュニケーションコストの低さ」が働く快適さにどれほど影響するかを実感しています。
過去に2回の転職を経験しましたが、新しい環境への適応に、相当のエネルギーを使っていたことをこのカムバックを通じて自覚しました。組織内で使われているツールの習得や、人間関係、担当分野の理解には時間がかかります。しかし、古巣で使われているシステムやツールは過去に経験したものです。スムーズに担当業務に取り組むことができ、人間関係の構築に費やすエネルギーも大幅に削減されます。
コミュニケーションコストの低減は、個人だけでなく組織にとっても大きなメリットです。即戦力であり、組織の文化を理解しているアルムナイを再採用する企業が増えているのは、そのためでしょう。
コミュニケーションコスト低減を求めすぎるリスク
ただ、コミュニケーションコストを過度に低減しようとすることにはリスクも伴います。同質性を強化し、多様性を損なう方向に進む可能性があります。VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)な時代を生きる私たちには、多様性を受け入れ、コミュニケーションコストが高まる流れに適応する柔軟性も必要です。
そのため、コミュニケーションコストの低さの素晴らしさを今まさに実感しつつも、より重要なのは、コミュニケーションコストを分かち合う姿勢ではないかと考えています。
ちなみにコミュニケーションという言葉は、ラテン語の「Communus(コミュニス)」から来ており、「分かち合うこと」を意味するそうです。両者がコミュニケーションコストが高いバックグラウンドをもっていたとしても、互いに分かち合う姿勢があれば、長期的な関係を構築していけるのではないでしょうか。
この気づきから、人とのやりとりの際、コミュニケーションコストという視点を取り入れてみています。自分だけでなく、相手がコミュニケーションコストをかけようとする姿勢を持っているかどうかは、長期的な関係性を築けるかどうかのヒントになりそうです。
最後に
長い人生において、仕事に求めるもの、アクセルを踏める度合いやかけられる時間は変わってきます。「コミュニケーションコスト」にどう向き合っていくかは、人生の舵取りをするために重要な要素になりそうだと今回の経験から気づきました。
これから転職を考える人や、かつての職場へのカムバックを検討している人にとって、何かの参考になれば嬉しいです。