【ネタバレあり】映画「ラストマイル」そして便利な生活とは
映画「ラストマイル」を初日の第1回目、夫と一緒に鑑賞した。映画を観て感じたことを下記つらつら書いていこうと思う。盛大にネタバレしていますので鑑賞前の方は絶っっっ対に読まないでください。
はじめに、この映画を観た方は遠藤一同さんのnoteを読んでほしい。有料記事だが、読むと「今まで見えていなかったもの」を感じられる凄まじいnoteである。
(どの通販会社なのかなんとなくわかると思うけどそれは言わないお約束)
通販や運搬のことを何一つ知らずに生きてきたので倉庫内で壮絶な作業が行われているとは…ノルマ、スピード、成果第一…人間扱いされないような言葉を投げかけられたり長時間立ちっぱなしの作業だったり…こんなことがあるなんて、とショックだった。
豊かな生活はそれを支えている人たちで成り立っている。
当たり前のように使っている電気や水道、ガス、そしてテレビやラジオ、スマホ、電車やバス…事故もなくウラで働いている方々の苦労は計り知れないだろう。
通販もそう。私はAmazonや楽天、その他通販のヘビーユーザー。多いときは週に2~3回ポチっている。仕事で必要な本、セール品の服やバッグ、重い飲料、買い物の6割以上はネットでポチっている。早ければ当日に届くし、遅くても一週間以内には自宅に届く。
「あー早く届いてマジ便利だわー」とか、少しでも配送が遅くなると「すぐ使いたいんだから早くしろよちんたら配送してんなよクソが」と、通販を召使のように思っていた。
そこに関わる倉庫の方々やピッキング業務の方々、商品を搬入し、自宅まで安全に配送してくれる。当たり前に思っていたことが多くの人の手を経ているのだ。
私は何様なんだろうか。
このクソみたいな自分も「お客様のために」と思っている製造者や販売者、運搬業の方々がいるのだろうか。そんなことを考えてしまった。
以下、映画を観て感じたことを箇条書き
・印象的だったのが羊急便配送の2人の親子。配送ノルマや一個あたりの料金を言うセリフがとてもリアリティあった。息子が勤めていた家電メーカーの「熱に強い洗濯機」。価格帯が安い製品や海外製品にとってかわられたが、真摯に作っていた製品が人を救ったというところに泣きそうになった…(と旦那氏が言っていた)。これも「すべてはお客様のために」だったのだ。
火野正平さんの「こころ旅」が好き、という個人的な思い入れもあり、上映中ずっとこの2人のことを考えていた自分がいた。
・事故や事件が起こっても、ラインを止めないエリナがサイコパスすぎて背筋が凍った。「もうすこしでNY市場が開くから…」「稼働率下がっちゃうから…」と成果第一。満島ひかりさんの演技力が凄すぎて「絶対この人が元凶だろ」と誰しもが思っただろう。野木亜紀子さんの脚本は「この人、怪しいんだけど実は…」みたいな見せ方が本当にうまい。会社第一や自分の保身第一みたいな人ってどこにでもいるんだな…
・「アンナチュラル」「MIU404」は本当にオマケ程度で物語の根幹にはあまり関わらないためこのドラマを知らなくても楽しめる。
だけど「アンナチュラル」「MIU404」この2つを繋ぐ世界線を生み出してくれて本当にありがとう、という感謝で各関係者にお礼行脚したい。
・ぶっちゃけ言うとこの映画がきっかけで物流の仕事が変わるかといったら変わらないと思う。販倉庫での重労働は変わらないし配送業の賃金もノルマも変わらない。けど、この映画によって1人でも多く物流や配送について考えるキッカケになれば素晴らしいことだし、企業側(通販会社や配送会社)もよりよい仕事環境ができるようアクションが起こしやすいのでは…と思ったり(労働組合が絡むのでなかなか難しいとは思うが)
私たちができるアクション、まずは「荷物を一回で受け取る」という小さな取り組みから始めようか。
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