見出し画像

Vegyn について & 東京公演レポ

Frank Oceanの盟友であり彼の作品への参加で有名なロンドンのプロデューサーVegynについて、そして2022年10月7日に日本のクラブ〈Circus Toyko〉で行われたパーティでのDJが最高すぎたので、かなり今更ではありますがレポ書きます。
またフジロック(2023)1日目の出演が決まっており、フジロック前にもぜひ読んでいただければ幸いです。
ちなみにVegynと筆者はタメです。


・Vegynについて

Vegyn(読み方はヴィーガン)本名:Joseph Winger Thornalley は1993年生まれのイギリス人プロデューサー、DJ、グラフィックデザイナー。どうしても気になる名前だが、彼はいわゆるヴィーガン:完全菜食主義者ではないらしい(!)でもベジタリアンではあるそう。母親はグラフィックデザイナー、父親はミュージシャンのPhil Thornalley。(The Cureに一時期在籍しており、アルバム「Pornography」ではプロデューサーを務めた)

London College of Communication(ロンドン芸術大学を構成する大学の一つ)でデザインを学んでいた彼は20歳かそこらでJ Dilla好きの友達の影響でブーンバップの作り方を独学で学んだらしい。個人的にこれがVegynとしての作風の重要な核になったと思う。その後音楽活動に集中するため大学を中退し、仲間とともに音楽レーベル「PLZ Make It Ruins」を設立。正確な時期は不明だが、ロンドンのクラブ〈Plastic People〉でFrank Oceanと邂逅を果たしそれがきっかけでにBlondeに参加することになったらしい。
ちなみにJames Blakeとも同クラブで出会い、自身のデモテープを渡したこともあったらしい。今のところ共作している様子はないので今後に期待したい。

・作品について

簡単にVegynの作風について個人的視点で語ると、トラップビート、UKガラージ由来の2ステップのビートを用いたサウンドの印象が強い。ソロ作ではそれにアンビエント、シンセサウンドが加わって少しノスタルジーな作風の印象がある。彼自身spotifyのアカウントでプレイリストを公開しているが、様々なジャンルのトラック(日本のアーティストではcorneliusやsoraが入っていた)が選ばれており音楽愛の深さがうかがえる。
また音楽だけでなくデザインについては、自分でアルバムのジャケやレーベルのグッズのデザインもしている。グッズにはフォーチュンクッキーとかあって、少し可愛くておしゃれな感じのものが多い。
参考にソロ作を一曲。

Frank Oceanの作品では『Blonde』収録の「Nights」

他には『Endless』の「Slide On Me」(Endlessはヴィジュアルアルバム:映像として配信されていて、曲単位で配信されておらずリンクは省略する)

Frank OceanがAppleMusicで配信してきた blonde radioにも参加している。

Frank Ocean以外にもイングランドの鬼才シンガーソングライターのEthan.P.FlynnやDean Blunt(この人も鬼才)やKendrick Lamarの最新作をプロデュースしたことで一躍脚光を浴びたDuval Timothyと共作したりなど、コラボ相手は多岐にわたる。個人的にどハマりしたのはフランスのバンドPhoenixのremix。これは2022年のベストトラック。

他には面白いのだとThe Haimの『Women In Music Pt. III』収録の「3AM」の冒頭と曲終わりの電話の声の主がVegyn(Blonde RadioやNTS Radioで喋っているときと同じく優しそうな声)


最近では自身レーベル<PLZ Make It Ruins>でJohn Glacier、Goerge Rileyをプロデュースしてて、彼のサウンドが好みであればおすすめ。他にもレーベルではJohn Keek、Pigbabyなど奇人変人たちのレコードをリリースさせていてレーベルオーナー(?)としての才能も光る。

最近だとBurberryのティーザーの音楽を担当。最高。。
(映像はTyrone Lebon)

・レポ(Circus Tokyo)


2022年10月7日(金)この日は雨が降っていて極寒だった。調べてみると気温は最高気温13.3度で10月の寒さとしては100年に1度の寒さ。。

会場はCircus Tokyo。あまり大きな箱ではないが、人もたくさん来ていて会場にいる全員が熱狂しているような雰囲気がバッチリだった。
客層は20代の若めな人が多かった印象で、なんか音楽作ってる感じの人が多かった(喫煙所で話したりした雑感)
VegynのDJは2時前ごろスタートした、Moodymann、Joy Orbisonとかのテクノで始まり、少しずつにフロアをあたためていった。(個人的には爆アガり)

確かその後。自身のトラックであるBlue Verbが流れて歓声が上がったりした。こういう曲がクラブでかかるとこんなに良いのか、というちょっとした発見でもあった。その後段々とハウス系に流れていき、気付いた時には力強い四つ打ちがガッツリ鳴っていた。

そしてここからDaft PunkのDigitl Love、Chemical Brothersのstar guitar,
Alan Braxeなどの往年の名曲がかかった。(会場にいたアラフォーっぽい人楽しそうだったし、自分も楽しかった)

そしてUKレイヴシーンの寵児と評されるOveromonoのSo U Kno(Vegynと同じ日にフジロック出演)がかかり、この辺りでVegynは最高であること、まるで自分が選曲しているかのようなシンパシーを感じた。

今の若者が一番求めているような2ステップ、というかVegynのサウンドに影響していそうな曲もかかった。

そしてこの後、自分が感じたVegynに感じたシンパシーは間違っていなかったことがわかった。突如として00年代後半のフレンチエレクトロがかかったのだ。自分と同じ世代の人はこの選曲であ〜としか言えなくなるだろう。

あっけに取られていると、ここからはもうヒップホップタイムだった。ダフトパンクやケミカルなどの、いわば懐メロで喜んだアラフォーたちを一掃するかのように、ヒップホップが細切れにかかった。ヤンチャそうな若い子たちは爆アゲでDJブースの前で大きく揺れていた。良い光景だった。

そして散々トラップのビートがかかり、耳にも体にも馴染んだ頃、
Frank OceanのIn My Roomがかかり、、優勝が確定した。。

その後もトラップが数曲続き、最後はVegynのDebold(最近これが入っているアルバムがなぜか配信停止した)がかかって終了した。。

VegynのDJは最高だった、Circus TokyoだけでなくCircus Osaka、朝霧ジャムでもDJパフォーマンスを行った。
2023年3月にはフランス・パリでEd Bnagerレーベルの周年イベントでもDJをしたようだった。
そんなVegynだがフジロックではDJではなくLiveパフォーマンスを行うらしい、シンセの弾き語りでもするのだろうか?真夜中の苗場でどんなパフォーマンスになるか想像つかないが、最高の夏の思い出になるのは確実だと思う。(同じステージには池田亮司、山塚アイ、Overmonoが出演予定)


#Vegyn #フジロック #クラブ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?