文化の盗用むっず

何かのきっかけで知ったこの言葉、この前MISIAのグッズ(ドレッドヘア形のヘアタオル)ついての議論にも出ていた。日本へ帰国する前に、忘れてしまう前に文章に残しておく。

文化の盗用が問題となるのは盗用する側とされる側にマジョリティ-マイノリティ、旧支配国-旧被支配国などの関係性があるから。

文化の盗用かどうかは個人としてはわからないものの、ある特定の地域や部族、人種の文化が広がって他の国へ輸入されたり伝わったりする過程において発生する本来のものにはない要素が加わってしまう物事について少しモヤっとしている。わかりやすい例が食べ物。今ロンドンに住んでいるのでイギリスを例に。

ロンドンでは日本風カレーがカツの要素を1mmも含んでいなくてもカツカレーという名前で売られている。MOCHIといえば、きっとアイスを包んでいるような大福の生地とか白玉を思い浮かべるけど、日本でお正月に食べられているお餅を知らない人がたくさんいると思う。寿司なんてそこらへんのスーパーに売っているのは大体サーモンしかなくてたまにマグロもあるくらいで、あとはこんなお寿司みたことないという洋風寿司ばかり。

Japanese cafeでアルバイトをしている身としては、日本食は何をもってして日本食と言えるのか?とたまに思う。材料さえ揃えば日本食を作ることは可能。でも海外の人の味の好みや受容を考えたり、現地の食材を使ったりして、オーナーのオリジナル性を加えて作ったものは純ジャパニーズ飯ではなくなってしまうのか?そもそもカフェ飯は日本食レストランとは違って少し洒落なものを出したりするのものだからThe日本食と比較してはいけない気もする。日本人が作っているご飯なのに外国の人にレビューで「これは日本風であって日本食ではない!」書かれると、この人の思う日本食は何を指すのか?と疑問に思った。
自分は日本人だから日本文化ポリスになってしまうけど、絶対に日本にある外国の食べ物は、その国の人が見たらは?何これ?となるだろうし、そんなものは食べ物に限らず山ほどある。各国のイメージも自分が知っているのは一部、誇張されているものに過ぎない。全部。知らないだけ。知るべきものが無限にあるじゃないか。。。

いいなと思ったものを取り入れることは素敵なことだけど、正しい文脈で、正しいように再現されないと、その文化の発祥地出身としては違和感がある。けどそこに損得が生まれなければ問題にならないのか?

ファッションについては、ロンドンに来て以来ドレッドヘアって素敵だなあと思った。けど調べてみると、ドレッドヘアやコーンローには精神的意味や歴史と深い関係があり、ファッションとして取り入れることは文化の盗用になるようである。
黒髪のアジア人が西洋人に憧れて金髪にするのは問題ない?なぜファッション系雑誌や多くのアパレルのモデルに白人女性を起用するの?アジア人が西欧人を真似るのは、西欧文化の方が優位だから?

音楽についても文化の盗用は問題になっている。ジャズやヒップホップは日本においては全部輸入されたカルチャーである。Music videoとか曲調とか、衣装とか、その作者がアイドルだろうが一流歌手だろうが、表現次第で世界中で問題になりかねない。

表現の自由とリスペクトとそして文化の盗用の関係性、難しい。。。
けどだからこそ調べ甲斐がありそう。一個人としての良識とを得るためにも。