#日記
雨の国、王妃の不倫 8
先生のため息が止まない。気に入らないカードがどうしてもでるのだそうだ。
「こんなところに出てきちゃだめなのよ、あなたは。」
とタブレットに話しかけている。
「何がそんなに悪いんですか。」
私は気になって尋ねた。先生は聞けば何でも教えてくれる。
「皇帝。」
「はい?」
榮妃のことが頭をよぎる。
「皇帝のタブレットがどうしても今より先の位置に出てしまうの。それだと佳いインスピレーションが成立しな
雨の国、王妃の不倫 4
雨の降る、窓辺に持たれて酒を飲んでいたらそのまま寝てしまった。眠ったら夢の中でも雨が降っていた。
いや、曖昧な意識の中に雨音が染み込んで湧いただけだったかもしれないけれど。
とにかくその夢の中で雨が降っていた、私の心には常に雨が降っているのに、この街は常に雨が降っているのに、夢の中にまで雨が降る。私は心も体もぺったりと濡れているような気分になる。
夢の中で、
“ああ、また気配がする”、と思