野良のライターだからw

「そろそろ腹括りなよ」と聞こえた気がした。

こんなことを言うと同業者の方々に叱られてしまうかもしれないけれど、ことさらにライターになりたいと思ってこの仕事を始めたわけじゃない。当時まだ小さかった子どもたちを見ながら家でできる仕事はないかと探していたときに見つけたのが、この仕事だった。

ありがたいことに、そんなわたしでも仕事が少しずつ増えてきた。想定していたよりも仕事の量は増え、幅が広がった。そして、進めば進むほどこの先は沼地が広がっている。

原稿が真っ赤になって返ってきたとき。
編集さんの意図がうまく読めていなかったとき。


わたしは気持ちの切り替えが下手なタチなので、しばらく落ち込む。結構落ち込む。胃の辺りが重く沈み、思うように言葉が出てこなくなる。

そして、そこからどうにか浮上せねばと思うとき、「どうせわたしはどうしてもライターになりたかったわけじゃないんだから」というエクスキューズが胸をよぎり、つい頼ってしまう。もちろん原稿には自分の力できっちり向き合うけれど、どこかでその言い訳に甘えていないかと問われれば、NOとは言い切れない。

とはいえ、なにしろフリーランス稼業はメンタルキープが第一なので、それで浮上できるのであればまあそれもアリだ(とわたしは思う)。

ただ、浮上はできても前進はできない。

ここのところずっと足踏みしているような感覚があって、その理由を探っていたのだけど、たぶんここなんじゃないかなとハタと思った。よくわたしは“野良のライターだからw”と自称もしくは自嘲するのだけれど、そこには何の伝手もないところからここまでやってこれたという自負もありつつ、どこかで「野良だからしょうがないし」と甘えてしまっている自分もいた気がする。

これはごく個人的な話だけど、若い頃にちゃんと自分と向き合わずに逃げてばっかいたツケが今きているような気もしていて。何者かになんてならなくてもいいんだけど、せめて自分は自分でいなきゃなと思うので、野良のライターでもいいけどさ、ここらでちょっと腹括って向き合っていかなきゃなと思ったって話です。


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