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#かつて星~終演後の振り返り~

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9月18日~23日、乙戯社『かつて生命があったという惑星に向かって僕らは、』(かつて星)の舞台が終演し、あらためてご来場いただいた皆様にお礼申し上げます。不安定な情勢や台風も近づいていた天候の中、足をお運びくださったこと本当に感謝しています。千穐楽を終えてしばらく経ち、次の舞台公演の稽古開始まで少し余裕があるので、ふと、かつて星の舞台公演を振り返ってみよう!と思った次第です。

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乙戯社の公演には主宰のともさんにオファーをいただき参加しました。ともさんとの出会いは、演劇お茶会でお会いしたのがきっかけです。ともさんは、物腰の柔らかい可愛らしさを感じさせるステキな方です。乙戯社の次回公演で理知的な女性の役を探しているとのことで、今回ご連絡をもらったときは、即答で出演の承諾をした覚えがあります。

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私は出演中だった舞台が終わると、乙戯社の稽古には途中から参加しました。稽古参加初日のことは、もうとにかく忘れられません。初めて行く稽古場の道中で手が滑り、スマホを地面に落として故障させてしまったことが原因です(稽古がスゴイ!って話じゃなくて、ごめんなさい)。もうその時はこの世の終わりってくらいの衝撃でした。方向音痴なのでナビアプリを見ないと稽古場に辿り着けない!連絡も取れない!ひび割れた画面の動かないスマホを握りしめて心中焦りまくりです。散々迷ったあげくに、何とか稽古場に到着はしたものの、動揺して部屋もわからず建物内でも迷子になってました(その時は事務の方に聞いて、部屋を教えてもらい何とかなりました!)。

その日は、全体稽古の前にシーン稽古があったので、先に到着していたともさんと相手役の高村さんがいました。部屋に入って初めましての挨拶もそこそこに動揺を隠しきれないままスマホの経緯を説明。故障したスマホを何とかするべく、稽古を開始する前に携帯ショップへ(夕方からの稽古だったので閉店する前に)向かうことになりました。お二人には本当にご迷惑おかけしました!!でも先程書いたとおりの方向音痴。頼みのナビアプリも使えない。地図を描いてもらっても携帯ショップに辿り着けるか不安しかない。そんなとき、高村さんが携帯ショップまで案内してくれることに。初稽古で初対面の共演者の方に何てことさせてるの……と自分を叱責しながらも、悠長なこと言っていられない!と存分に甘えさせてもらいました。このご恩は一生忘れないと思います(優しくて涙が出ます)。携帯ショップに到着後は、私の動揺も次第に収まり、新しいスマホ(同機種)を翌日自宅に届くよう手配。安堵して稽古場に戻ってきたときには、共演者の方が勢揃い。ともさんから共演者の皆さんへ"スマホが壊れたキムラさん"と紹介をしてもらい、思いもよらぬことで笑いをとって最初のつかみに成功した私の稽古場初日の出来事でした。

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私の【ミワ】という役は、"大人で理知的な女性"との説明を最初にともさんからされました。私が大人?大人かぁ…えっ?大丈夫?大丈夫なの、私?と疑問符のオンパレード。それでも、きっと大丈夫だよね!とおかしな自信をぶら下げて、稽古に突入。当然、大人って難しいのね……と相手役の高村さんとあーでもない、こーでもないと悩みながらのシーン稽古の日々。でも、そのおかげもあって、私にしか存在しない【ミワ】が出来上がった気がします。私のお気に入りのシーンがあって、ミワは物語終盤、窓を覗き込みキラキラ星を歌うシーンがあります。台本には窓を覗くとしか書かれていない場面。ともさんにここで歌を歌ったらどう?と言われ、キラキラ星をハミングで歌うことに。ミワは過去、息子が亡くなったという背景があります。観に来ていただいたお客様に伝わったかどうかはわからないのですが、ミワとして、亡くなった息子へ捧げる鎮魂歌あるいは子守唄のつもりで歌っていたことが少しでも伝わっていたらいいなと思いました。

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今回、振付師の下村さんによるダンス稽古もありました。私がダンス!?それこそ私、大丈夫なの?と不安がよぎります。初心者の私にできる?とダンス稽古初日はドキドキ。オープニング(光る球体が弧を描く、統一されたみんなの動きがステキだった!)、エンディング(本格的にダンスって感じで振りを覚えるのが初心者の私は大変でした!)を始め、光る球体を持って歩き回る人々(歩く速度や登場するタイミングに全神経つかったー!!)。次々と振付がされていきます。ダンスは身体技術の結晶みたいなイメージが始めはあったのですが、演技をしているかのような感情のみえるダンスに、次第に心が惹かれていきました。とても、いい経験をさせていただいたと思います。

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今回の座組では、私は皆さんと初共演でした。

【オオカド】黒条さん:主役ということもあり、皆さんが感じるとおりイケメンだと思います。相手役のホシノがダブルキャストだったので、相手が変わることで演じ方にも変化があるように思いました。高島さんのときは同い年の友人、RENさんのときは年齢差のある友人といった演技の印象を受けました。

【ホシノ】高島さん:いつも楽しそうにミュージカル曲を休憩の合間に歌っていました。それがとても素敵な歌声でした。ホシノとして舞台に立っているときは、相手と呼吸を合わせ、とても落ち着いた演技をされているような印象でした。

【ホシノ】RENさん:以前、Mikageishiの旗揚げ公演を拝見し、ミステリアスな印象を受け、今回もそれがホシノへ反映されているかのようでした。ホシノが感情を剥き出しにするシーンでは、とても迫力のある演技をされていました。

【ジュリ】花里さん:とても気さくな方で、アフタートークでは最も盛り上げてくれた功労者と言ってもいいと思います。ジュリという一人の女性をとても繊細に演じられていて、近くで見ているからこそ、表現力の高さに心がざわめきました。

【ハナエ】高村さん:スマホ故障の一件で本当に感謝しかありません。写真を撮る際のレインボーアフロヘアとサングラスの早替えの凄さをぜひ広めたいほどです。ハナエの難しい心の内を見事に演じられていて、とても素敵でした。

【タワラツミダ】上辻さん:アフタートークで話していたマックを週5で食べていた件からの座組のマック通い率の高さ。まさに上辻さんのトーク力の賜物です。タワラツミダの舞台上一人でタマコに向かって思いを述べるシーンは心が震えるようでした。

【タマコ】牧野さん:いつも可愛らしく、笑顔がとても素敵です。元々ダンスの経験者でもあり、ダンス稽古では、振付の覚えが速くて本当に尊敬しました。タマコのタワラツミダと一緒にイスをもって立ち去るシーンの表情は今も忘れられません。

スタッフの皆さんにも、とてもお世話になりました。舞台監督の鈴木さん(小屋入りしてから様々な面でとても頼りになる方でした!)、音響の山根さん(マイクチェックでご自身で歌を歌っていたことが印象的でした!)、照明の野村さん(照明をとても熱く語り、照明愛に溢れている方でした!)、舞台美術の立花さん(素敵な舞台装置とゲネ写真の撮影ありがとうございました!)。他にも多くの方にお世話になって、舞台を終えることができました。

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私はこれまでの出演舞台で、素敵な座組の皆さんにたくさん出会ってきましたが、今回の座組でも本当に素敵な皆さんに巡り会えました。それもかつて星の公演で一番お世話になった乙戯社主宰のともさんのおかげです。ともさんのおかげで、素敵な座組の皆さんと出会えたこと、【ミワ】として舞台に立てたこと、そしてこの舞台をお客様に観ていただけたこと、全てに感謝しています。ともさんをはじめ、また座組の皆さんとお芝居ができたら嬉しいなと思います。

長々と書いてしまいましたが、ここまで読んで下さった皆様にも感謝しています。また、舞台を通してお目にかかれるよう役者として突き進んでいきたいと思います。

本当にありがとうございました!


キムライヅミ

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……ちなみに、この公演の2日後に再びスマホを故障させてしまったのは、また別のお話ということで。

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撮影者:立花みず季様

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▪️次回出演舞台(キムライヅミ)                  2022年12月23~25日:Aqua mode planning:『息継ぎフェルマータ』 @兎亭 脚本/演出 松本隆志(:Aqua mode planning:) ※2022年7月に上演予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響にて、2022年12月へ上演延期になりました。情報公開・観劇のご予約開始は11月上旬の予定です。(最新情報は、Twitterをご覧くださいませ)








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