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動作分析について思うこと

今回は理学療法士の専門分野である、動作分析について最近思うことを書いてみたいと思います。

*作業療法士や言語聴覚士のことではなく、あくまで理学療法士に限局した話です。

理学療法士になる前の学生時代

理学療法士を目指す学生さんにとって、この「動作分析」とはまさに鬼門であり、学生の頃にここでつまづいた理学療法士はとても多いと思います。

そもそも動作ってどうやって見ればよいのか?
どのように記録すればよいのか?
異常な動作をどう解釈して、目標を立てればよいのか?
などなど。
#業界あるある

理学療法の学校では正常な歩行動作について必ず習うのですが、
いざ実習で病院へ行ったり施設へ行ったりして患者さんの動作をみようとしても、正常な歩行とはかけ離れすぎていて、大パニック。
何が問題で、何が代償動作で、どこがどうなってそれぞれ影響しているのか?など、
まったく整理できず、どこから手をつければ良いか分からない状態になります。
#自分もそうだった

そんな中、実習中についてくれる指導者(現役の理学療法士)によって、適切に動作分析が出来るように導かれていくのですが、
運悪く指導者に恵まれないと、この動作分析のスキルは全く向上しません。
なんとか実習はクリアしたとしても、就職した職場で動作分析について本気で向き合わないと、同じく動作分析のスキルは磨かれません。

そう、動作分析は日常的に意識して考えようとしなければ磨かれない「スキル」であり、
意識して考えようとしてきた理学療法士と、そうしてこなかった理学療法士とで、たった数年程度でとてつもない(スキルの)差が開いてきます。
#有名な話
#スタートはみんな同じ

たとえば、
歩行中に膝折れが起きてしまうという現象に対して、
その原因を1つしか考えられない理学療法士と、
10以上原因を考えられる理学療法士とで、その理学療法(リハビリ)の結果に大きな差が生まれるであろうことは予想できるかと思います。
治療方法がワンパターン化してしまうのか、多種多様な要因から最もベストな方法を提供できるのか、ということです。
両者では理学療法(リハビリテーション)効果が雲泥の差になります。

現在の理学療法士の中には

そうやって、すでに供給過多と言われている理学療法士も患者さんから選ばれる時代が来るかと思いますが、
この差が生まれる大きな要因は、動作分析が出来るスキルがあるかないか、にかかっていると思われます。

とある理学療法士の普段の仕事を客観的に見ていても、
しっかりと動作分析をしているのか、
そうじゃないか(サボっているか)は、よく分かりません。
言い方を変えると、理学療法士は患者さんと1対1で行われる理学療法(リハビリテーション)の中で、動作分析という専門的な仕事をサボっていても誰にもバレない、ということになります。
#ちゃんとした理学療法士が見ればすぐバレる

ここが本当にやっかいな点だなと思います。

理学療法士になって、病院で働いて、給与が安定的に入ってきて、
学生の頃に苦手だった動作分析を「しようが」、「しまいが」、
サボっていても誰にもバレず、
あいまいな説明でごまかしながら仕事をしてきた理学療法士は、
その経験年数とともにさらに誰から指摘されることもなく、
経験年数とともにそのプライドだけが高くなって、
本当にやっかいだなと思います。
#そんな理学療法士ばかりではないが
#そんな理学療法士もいることはたしか

私が代表でやっている特定非営利活動法人Re Stepでは、
先日、現役の理学療法士に対して歩行分析についてのアンケートを実施しまして、
回答数はまだまだとても少ない状態なのですが、
・普段の臨床(仕事)では歩行分析をする機会がとても頻回にあるにも関わらず、
・「観察」と「分析」の違いについてなんとなくしか理解できておらず(説明できない状態)、
・歩行分析を苦手だと感じている
という理学療法士が多数派を占めました。
まさに、動作分析スキルが備わっていない現状が浮かび上がりました。
動作分析って、とても難しいと思います。分からないこともたくさんあります。けれど、その専門である理学療法士は患者さんの行う動作がどうなっているのかついて、理解しようと努めるべきであって、決してあきらめてはいけません。理学療法士だけは、そこから逃げてはいけないと思います。
#責任のある仕事

今後私に出来ること

という現状を鑑みても、やはり理学療法の醍醐味は動作分析にあると思う私は、私なりに出来ることを色々と考えてみました。

まずは、動作分析について悩みや疑問のある学生さん(理学療法士を目指している高校生以上)に対して、月2回、無料でQ&A相談会を開こうと計画しています。
コロナ禍で今の理学療法の学生さんは実習が不足していると聞いています。

*作成段階の案内状

そして、来年のGW明けぐらいを目標に、2方向(前額面と矢状面)から動画撮影による動作分析が出来る設備もつくろうと思っています。
#詳細はまだ未公表
#来年早々に発表するかも

これらはいずれも特定非営利活動法人Re Stepでやります。
いずれも本気出してやろうと思っています。
やる気ある意欲のある理学療法士が今後生き残っていける未来をつくれるように頑張ります。
#私の仕事


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