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「自律」について考えてみる(前半)

なにやら今日は「自律」という言葉について考えてみます。
ウィキペディアとか辞書を引いてみるとか、そういうことではなく、いつものように今自分がこの言葉をどう捉えているか?みたいなことを整理してみたいと思います。


「自律」という言葉を初めて知ったのは中学校のとき。学校の教訓みたいな言葉が3つくらいあって、その中にこの「自律」があったことをいまだに覚えています。
#けっこう印象深かった
高校は大阪府立泉陽高等学校という学校に通っていましたが、当時も今も学校の教育方針は「自発的な学習スタイル」で、本当に1回も学校内で「勉強しろ」と言われた記憶がありません。(笑)
周りから言われないためロクに勉強しなかったのですが、その代わりに、「自由」とか「義務」とか「責任」とか、当時高校生ながらにめちゃくちゃ考えていたことを記憶しています。
・自由に自分の好きなことだけ出来るわけがないよな、とか
・ちゃんと義務(やらないといけないこと)を果たしていないのに、自由には出来ないよな、とか
・自分の好きなようにやってきたんだったら、ちゃんとその結果には向き合って責任を取らないといけないよな、とか
とてもとても自由にさせてくれていたおかげで、こんなことを考える時間が多かったように思います。
#めんどくさい高校生だったかも

この頃から「考えるクセ」みたいなものが培われて、今では理屈ばかり考える大人になってしまいましたが、
しかしこの「考えるクセ」が自然と身についたことは今ではとても良かったなと自分自身では思っています。


さて、
「自律」とは「自立」と違って、自分の心のコントロールも含むみたいなことだと思いますが、
高校を卒業して理学療法士を目指すようになってからは、後者の「自立」という言葉をよく使うようになりました。

リハビリというと、病気やけがなどをする前の状態に戻す(再び、適合する)ように様々な日常動作の練習を行うことになります。
このときに日常動作の自立度を判定する、ということが理学療法士には必要なことで、その判定尺度にはFIM(Functional Independence Measure)などが使われたりします。
FIMでは、
7点・・・完全自立
6点・・・修正自立
5点・・・見守り
4点・・・軽介助
3点・・・中等度介助
2点・・・重度介助
1点・・・全介助
といった感じで、介助が必要なのか、自立出来ているのか、といった判定を段階的に行います。

とにかく理学療法の中では「自立」という言葉が頻回に出てきていて、この中で使われている自立=他人の介助を要さずに自分1人で出来るかどうか、という視点を反復して意識するようになり、「自律」という言葉を使うことはほとんど無くなりました。

しかし、このFIMのような動作の自立度判定を行う際にぶち当たる壁が、「できるADL」と「しているADL」問題です。
リハビリ(理学療法)の中では出来る能力はあるのだけれど、普段の生活ではやっていない(していない)、みたいなことです。
もう少し身近な形で言うと、
ダイエットのために運動することが大事と頭で分かっていて実際に長時間歩く能力も備わっているんだけれど、普段の生活では全然歩いていない(運動していない)、ということです。

この差を埋めるためのアプローチなんかは様々あるかと思いますが、
ここでもやはり「自律」=自分の心を律する、という側面が重要かなと思ったりします。
#こうなったときに思い出すのが中学校の教訓

要は、
・自分できちんと自分自身のこと(出来る能力)を自覚して、
・ラクしたいとか妥協するような自分の心を律して、
・きちんと自分自身の出来ることをやる、
ということだと思います。
患者さんには簡単に言うけれど、自分自身ではこの「自律」が出来ていない人も多いのではないでしょうか?

この「自律」を反対にしてみると、
・自分自身のことがよく分かっておらず、
・とにかくラクしたいとか、妥協することがクセになっていて、
・なるべく他人にやってもらおうとする、
ということで、これはつまり「依存」だと思われます。

まとめると、「自律」と「依存」は対義語のようになっていて、
「依存」についても考えてみると、「自律」が少し見えてくるような気がしています。

そんなわけで、後半(次回)は「依存」について整理してみたいと思います。


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