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140 保護者や職員、教授たちとのディナー・パーティーが始まる。

知らない同士で1つのテーブルに。


アメリカの大学の合格者プログラムの第1日目、屋外のテラスでの立食のレセプション・パーティーに続いて、ディナー・パーティーというのがありました。

職員の人に案内されてテラスから建物の部屋に入ると、そこがディナー会場で、白いテーブルクロスのかかった大きな丸テーブルがいくつもあり、ディナーの食器がセットされていて。

各テーブルにはすでに席についている人たちもいて、それはどうやら教授の皆さん。
おずおずと空いている席に座って、隣の方たちに挨拶をしました。
右側が東海岸から来たというお母さん、左側は西海岸から来たというお父さんです。

その時に同じテーブルの人をぐるっと見て、「完全にやってもうた〜!」と思いました。
女性はみんなちゃんとディナーということをわかっていて、パーティードレスってほどじゃないけど、それなりにおしゃれをされてるんです。

私は普通のセーターにジーンズ、 アクセサリーの1つもつけてません。
お父さんはそんなラフな人もいたけど、女性としてはかなり大失敗。
穴があったら入りたい、恥ずかしい・・・。


複数の大学に合格して。


ディナーはビュッフェ方式で、豪華なお料理を好きに取って食べられます。
これがしかし、アメリカの味。
食器もお料理も見た目はすごく立派なのに、味が「なんで?」って思うくらいイマイチなものがあるんです。
学食の調理員さんの味なんでしょう。

食べながら、各教授の授業や専門分野についてのスピーチを聞き。
その後、両隣のお父さん、お母さんたちと自分や子どもの話をしました。

左側のお父さんは、カリフォルニアのとあるセレブな都市の衛生局長とのこと。
おしゃれもしてなくてたどたどしい英語の私に、偏見もなく丁寧に話をしてくれる落ち着いた方でした。
右側のお母さんは明るい方で、でもとてもお仕事が忙しいようで、ディナー中もちょくちょく電話がかかってきて席を外されていました。

アメリカは共働き家庭が多いと聞いていましたが、どのお母さんたちも立派なお仕事をされていそうで、だから大学の学費も払えるんだろうなと、また肩身の狭い思いが・・・。


そして両方の方たちが言っていたのは、こういうことでした。
お子さんたちは複数の一流大学に合格していて、どこに進学しようか迷っている。

「やっぱりそうか!」と、わかりました。
ディナー前のレセプション・パーティーの時に話した人たちからも感じたことが、ここではっきり。

この合格者プログラムというのは、新入生の歓迎会ではなく、迷っている人に大学のよさをPRし、決断してもらうためのもの。
合格者にとっては、どの大学がいいか実際に見て決めるためのものだったんです。

アメリカの大学では合格発表の後、こういう大学訪問プログラムが行われるのが一般的なんですね。
知らなかった〜。


うちの子なんかは進学できる大学はここしかなかったけど、普通こうした大学に合格するような優秀な子たちは、名前を聞くとびっくりするような大学にいくつも合格していて、わざわざ飛行機に乗って全米各地の大学を訪問しているのでした。

本人だけでなくこんな親のためのパーティーまであって、もてなしてもらえるとか、日本では考えられませんね。


そうすると、こうやって話していても、もう二度と会うことはないかもしれない人たちなのか・・・と思うと、ちょっと寂しい気持ちにもなりました。


どの国の親も同じ。


でも、そうした子どものことを話していて、やっぱり親の考えることはみんな同じだなと思いました。

本人に一番合う大学はどこなのか。
自分に合った大学に入ってやりたいことをやっていってほしい。
今回、上の子は合格したけども、まだ下がいるからどうなるかが心配。
上の子と2人大学生になるから学費が大変、などなど。

「ああ、わかります、うちもそう。
そうなんですよね〜。」

と、アメリカ人の親たちと話していても、 日本の親たちと話しているのとまったく同じ感覚なのです。
どこの国でも、親はみんな必死なんですね。


緊張してどうしようかと思うディナーだったけど、同世代の親同士、何か心が通じ合うようなものがあって、とてもいい時間を過ごせました。


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