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コーヒー×自分の軸を作る

先日受けさせていただいたコーヒー研修で、物事の見方ががらっと変わるような衝撃を受けた。私自身の備忘録として、感じたことをここにアウトプットしたい。


コーヒーは、豆の種類、焙煎度、抽出温度、メッシュ etc...複数の要素で味が変わり、その組み合わせパターンの多さは到底検証し切れないほどだ。その奥深さがコーヒーの魅力であるようにも感じるが、仕事としてコーヒーに関わる上で大切なことは何だろう?

研修当日、次のようなテイスティングを行った。

①ブラインドで出されたAとB、2種類のコーヒーを飲み比べ、感じたことをメモする
②参加者同士がそれぞれのコーヒーについて感じたことを言い合う
③A,Bのコーヒーの内容が発表される。 → A,B共に、豆、メッシュ、g、湯量、湯温、注ぎの投数も同じだが、Aは抽出時間が4分、Bは2分55秒だった。
④代表からA,Bのそれぞれの味についての見解を聞き、再度テイスティング

テイスティングとなればフレーバーやコーヒー豆の良し悪しを見分けることだと思いがちである。私もそれを試されているのだ(まずこれが一つの先入観)と思いながら真剣にテイスティングし、他者の意見に耳を傾けた。

しかし、今回のテイスティングのポイントは、自分が感じたことが一貫しているかということだった。

最初の段階ではなんのインフォメーションもなかったAとBのコーヒーは、他人の意見を聞くたびに、新たな情報が付け加えられ、先入観や思い込みとなる。その後に再度テイスティングすると、感じる味わいもやや変化していった。特に、自分より経験も知識も豊富な方にこうだと言われれば、本当に’’そのような気’’がしてくる。

つまり、私は自分の軸がなくブレブレの状態ということ。これでは客観的に美味しいコーヒーを判断できないし、味がわからなければ美味しいコーヒーを淹れれるはずもない。
コーヒーという変わりやすい対象に対して、まず重要なのは、思い込みや先入観から脱却して自分の軸を持つ、ということだった。


自分を内観する


自分の軸を持つ、といってもいつも変わらない自分でいるということではない。変化しないものはないというこの世の大原則に基づいて、常に自分も変わり続けている。

その中で自分のニュートラルな状態を知り、今日はどっちへどのくらいずれているな、と気がついてコントロールすることが大切である。それを測る物差しは自分自身で作るしかなく、手取り足取り他人から教えてもらえるものではない。

自分を知っていれば、それを照らし合わすことで人のことも知ることができる。自分の嗜好と違うコーヒーも客観的に評価できるし、いつもと違うと思った時に、相手(対象のモノ)が変わったのか、自分が変わったのか見極めることができる。

逆に軸が定まっていなければ、何一つ物事を捉えることができない。コーヒーの話をしていたはずが、考えれば考えるほどに人生全てのことに通ずる哲学のようなものに思える。


さて、では今後どうしていけるか。

味覚を鍛えるという面では、できるだけ味の変わらない対象に対して、日々自分の感じたことがどのように変化しているのか知ること。カッピングでも感じたことは毎回必ず記録すること。

知らないことには修正することもできない。まず、自分のブレを知ることからだ。


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研修から数日が経ち、感じたことは毎日の生活の中でもかなりの情報にまみれ、それが思い込みや先入観となっているということ。

しかし、自分のニュートラルを知っていると思えることもあった。例えばその日の天気や体調、他人からの言葉、様々な要因で起こる気持ちの浮き沈みに、修正をかけてニュートラルに近づけようとしている自分にも気づいた。

味覚はどうだろう?どんな時にどんな影響を受けて、どんな風に変化しているのか。これまでそこに意識を向けたことがなかったように思う。

味覚においても、それ以外の面でも、自分の軸を作るということが今後の大きなテーマになりそうだ。

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