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珈琲豆のラインナップはどうするか

そろそろ豆の販売を…と思いつつ、一番重要なところでずーっと悩んでいます。
販売する豆のラインナップです。

やはりこちらは珈琲の専門職ですから、美味しいものをご提案する、という責任をもったスタンスでありたいものです。
しかし悩むんですね。
単純に自分の好きなもの、美味しいと思うものを販売するのはたぶん違うんです。

焙煎度

私は深煎り(フレンチ程度)が好きです。
どっしり落ち着けるからです。
心地よい苦味がネルドリップでまろやかに口中に広がる感じがたまらんのです。
今日も朝イチから深煎りのグアテマラとメキシコをネルドリップでデミタス抽出して交互にチビチビ飲みました。
おかしいですかね。

話は変わりますが私はペーパードリップがあまり上手ではありません。
理由は簡単、普段から抽出していないからです。
ペーパードリップが上手くなる(自分の抽出方法が確立する)前に珈琲専門店で働き始めてネルドリップを始めてしまったのです。

中深煎り(フルシティ)より浅い焙煎の珈琲であればいいのですが、こと深煎りに関していえばネルドリップの方が美味しく感じます。
しかしふつう家で珈琲を飲む際は、コーヒーメーカーか、ハンドドリップでもペーパー抽出が多いですよね。
だから深煎りばかり揃えるのは、お客さんの家で飲む珈琲というものに寄り添っていないかなーとも思ったりするのです。
酸味のあるなしでいうと酸味が少なめの中深煎り(シティ)あたりから深いところが多くなるとは思いますが、ところどころ浅いところ、酸味と苦味が半々くらいの中煎り(シティ)あたりもいくつか作ろうと思います。

銘柄数

ブレンドとシングル合わせて5〜6種類は少なくとも作りたいところ。
とはいえ、ここには経営的な悩みも生まれてきます。
種類が多ければその分在庫管理が難しくなり、ロスも増えるでしょう。
とはいえ、珈琲屋なのでここはそれなりに揃えたいところではあります。

そして一つの銘柄につき一つの焙煎度にするかどうか。
例えばエチオピアやインドネシアなんかは常備しようと思っていますが、これらは浅くても深くてもなかなかに美味しいんです。
先の記事でも書いたように焙煎度が好みに左右するところは大きいと思っているし、その飲み比べも珈琲の楽しみ方として面白いと思うんです。

また、一杯として提供できれば20g前後から提供できるのですが、豆の販売となると100g程度は必要になるので、実店舗のない今の段階ではさらに悩ましい。

そもそも一番の問題はブレンドが定まっていないことです。
ブレンドの銘柄をラインナップにするとまたスタンダードメニューは変わりそうです。
どれだけ手間取ってるんだという話ですが。

逆に徹底的に絞り込む、というやり方もありかな、とも思いました。
例えば、私が下北沢で珈琲綴の間借り営業をしたときのように、ブラジル、エチオピア、インドネシアの3種類のみ、など。
絞れば管理しやすいし、本当に美味しいものに集中できる。
でも、やっぱりこれはしないと思います。
珈琲の面白さ、美味しさ、楽しみ方の発見、のようなもの。
そういうものを提案して、伝えていくのも楽しいし、伝わると嬉しいので。

小さな小さな個人店だからこその強み

現在、私が持っている焙煎機は手回しドラムで最大500gが焼けます。
深煎りであれば385g前後で焼き上がります。
試飲を1〜2回すると販売できるのは350gか300gです。
焼き時間は25分前後、前後処理の時間を含むと40分ほどかかります。

この規模感です。
豆売りにするとあっという間になくなりそうです。
良い点はこまめに焙煎ができること。
鮮度を保てるし、たくさん焼いて経験を積めば腕も上がってより良いものを提供しつつ、結果としてロスも減る。
費用対効果は低いですが、この道に進み始めた入り口がここだったのだから仕方ないですね。
もし何百万円もする焙煎機のお店の珈琲に感動してこの道に進んでいたら、こんなに早く開業だなんだと右往左往していなかったかもしれません。
この規模感で、個人の小さな珈琲屋だからこそ出来るようなことを、いろいろと妄想しています。
かつ、生業として成り立つように。
いつも自分に言い聞かせています。妄想だけではダメ、人の為だけでも、自分の為だけでもダメ。続けられるように、続けさせてもらえるように。頭を使い手足を使い地味に地道にコツコツと。

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