《Vol.5》かゆいところに手が届くSmartling:ウェブサイト翻訳の救世主!
こんにちは、Izumi Insights のいづみです。
日本は猛暑で暑っつい毎日のようですが、ドイツは7月下旬になってやっと夏っぽくなってきました。。。でも扇風機もいらないとっても爽やかな涼しい夏で、このNote記事も一気に書き上げることが!
前回のVol.4では、多言語翻訳プロセスの「見える化」を実現したことによる業務効率化、および様々なポジティブ変化についてかなりマニアックな内容となりました(笑)
今回のVol.5は、コーポレートブランディングを進めるにいたって一番のネックだった「ウェブ(CMS)」と「翻訳」を一連のプロセスに繋げた目的とそのメリットについて紹介いたします。
「会社の顔」に求められたグローバルな柔軟性
前回の記事でもご紹介したように、事業やターゲットごとに統一されたことばのトーン&マナーを全世界に向けて多言語展開していくと決めてから、結果的に複数の翻訳会社をフレキシブルに起用できる体制がウェブサイトのマネジメント側にも求められることになりました。
さらに、地域ごとに発売されている商品の違い(一部では売られていない製品があったり、提供されているサイズや色の違いなど)やバンドルされているソフトウェアの違いなども反映できる柔軟なSitecoreというCMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入していたため、その柔軟性にも対応できるSmartlingという「翻訳管理プラットフォーム」を導入しました。
Smartling翻訳管理プラットフォームとは
私たちのように複数社の翻訳会社を起用し、内容によって発注する会社を変え、同時進行で多数の翻訳アイテムを一元管理して、さらに進捗管理もできる。また、ウェブサイトのCMSと繋げて、CMSから翻訳するウェブページを丸ごと管理システムへ「送信」し、さらに翻訳が完了した内容をCMS側が「受信」することもできる。どんな翻訳アイテムでも対応できるそんな夢のようなプラットフォームがSmartlingという翻訳管理プラットフォームです。決してSmartlingの回し者ではありませんが、そう聞こえてもしょうがないくらい愛用していました(笑)
というのも、人間による翻訳の世界はかなりマニアックでアナログなイメージかもしれませんが、柔軟な翻訳管理プラットフォームを導入すると、時間もコストも大幅に削減できるんです。メリットをあげたらキリがないのですが、私たちにとってのトップ3はこういう「いたい所に手が届く」ところでした。
①ウェブ制作チームへの負担が大幅減
今まで、ウェブサイトの細かい翻訳修正が発生するたびに、修正が必要な箇所を具体的に説明してかつ最新の翻訳文を手入力で更新する必要がありました。
シンプルなコピペ作業とはいえ、その言語を理解できない故のミスがたくさん起きるのです。コピペミスだったり、重複に気づかなかったり、誤って句読点や文字を削除してしまったり。
アルファベットを使う言語は理解できなくてもミスは比較的起きにくいですが、アジア言語やロシア語などへのミスが勃発していました。(タイ語とか、想像してみてください!)
しかし、Smartlingを導入したことで翻訳修正はウェブ制作チームを介さずに済むダイレクトなプロセスになったため、効率的に公開作業を進めることができるようになりました。
②「翻訳メモリー」を使って社内翻訳:翻訳コストの大幅削減
過去に翻訳された全てのコンテンツが自動的に翻訳メモリーに蓄積されるので、ちょっとした文言修正は翻訳会社に依頼せずに「翻訳メモリー」+「自動翻訳」+「必要に応じて最後は人間のチェック」の合わせ技で対応することもできました。
これは翻訳マネジメントの社内担当者が全言語を自分で全て完了できる時もあれば、必要に応じでその言語のネイティブスピーカーへ最後の確認だけを依頼することでクオリティも維持でき、手早くかつコストもかからないと言う大きなメリットがありました。
③進捗状況を細かく把握
翻訳会社も社内の翻訳チェック担当者も、忙しい時は同時に複数の翻訳プロジェクトを回しています。例えば、新商品のウェブページの翻訳と当時に、営業用のパワーポイントの翻訳、カタログの翻訳など。
この全てをプロジェクトごとに翻訳状況を細かく把握することができ、特に他の業務でも忙しい社内の「翻訳承認者」の「確認残量」も見えることでピンポイントにリマインドしやすくなりました。
また、残量が多すぎる時や、体調不良などで業務を進められない時は残りの翻訳文を別の担当者へ割り振ったり、緊急事態で大急ぎの場合はひとまず翻訳をそのまま公開して、後でチェックが必要な未確認の文言がきちんと見える仕組みも。
もうとにかく痒いところに手が届く届く!
複数のウェブサイトへも導入
コーポレートウェブサイトの翻訳スピードとコスト削減の成功を機に、Sitecore CMSとは別のCMSで動いていたオンラインストアもSmartlingを導入し、別々のウェブサイトでも同じプロセスと相乗効果で業務効率もさらにアップしました。
また、それまで社内の「翻訳マネジメントスペシャリスト」が一人で管理してきたプロセスも、このようなツールを導入したことで他のメンバーにも責任を分散でき、さらに多くのプロジェクトを同時進行で回せるというメリットもありました。
まとめ
オンラインコンテンツとオフラインコンテンツの全ての翻訳を一元管理できて柔軟に翻訳を「再利用」できるこのプラットフォーム。今回紹介したSmartlingは大手企業に必要な複雑なプロセスに対応できるシステムですが、シンプルなウェブサイトやブログなどであれば選択肢は他にもたくさんあります。私も自分のWord Pressのブログでは目的と規模にあった違うサービスを使っています。
一番大事なのは、自動翻訳に安易に100%頼りすぎないこと。最近ではAIも活用した新サービスで翻訳テクノロジーも凄まじいスピードで進化していてこの業界の動向が非常に楽しみですが、やはり最後は「人間の目で確認&微調整ができる仕組み」があることの重要性は変わらずに求められることと思います。
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