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誕生日はお手紙でいいよ、に困る叔母の話 #いま私にできること

姪っ子の誕生日まであと10日程度。
以前、プレゼントは何がいい?と弟に聞いたが、考えとくと言ってその後連絡がなかった。

私:前聞いたけどさ、姪っ子への誕生日プレゼントは何がいい?洋服とかおもちゃとかかなぁ?

弟:うーん、お手紙でいいよ。

私:そっか、わかった。

お金のかからない物を、という気づかいだという事は感じたので、了承した。

が!気づいてないだろう!
お手紙ほど難しいもんはないという事を!
それなりに工夫するんよ、写真可愛く加工したりとかさ!鬼滅がすきって聞いたしさ!求められてないけどさ!ただバースデーカード送って終われると思う?!だけじゃないんだよ、私は!

私の内心の理由、それは姪っ子には5回くらいしか会った事がないからだ。

弟はシングルマザーと結婚した。子育て未経験の私が、いきなり5歳の女の子の叔母になったのだ。5歳児がどんな事に興味があるのか、どんな事ができるとか、どう伝えたら理解できるとか、想像もつかなかった。

初めて会った時、姪っ子は赤ちゃん人形の「ぽぽちゃん」を従えてて、私の頭はハテナマークでいっぱいで、未知の存在に遭遇した地球人みたいだった。オマエハダレダ。
近くの大型スーパーで、いつも通り過ぎて行くだけのおもちゃコーナーに立ち止まる。何これ知らんもんばっかり…でもぽぽちゃんは、確かにそこにいた。

そうこうしている間にコロナになり、実家には帰れなくなった。喘息持ちの祖母がいて、万が一を考えたら後悔してもしきれない。お正月には帰りたいなぁとおもっていたら、あれまー。倍増。そしてお正月を過ぎたいま、あれまー。爆増。

結果、お互いよく知らないまま時が過ぎ、姪っ子は7歳になった。そして妹が生まれ、妹に至っては生後10日頃腕に抱いただけ。もうだっこ出来ない位大きくなった。

時の流れとは、切ない。

弟、義妹、母で構成された家族LINEにがある。時折送られてくる写真や動画は、現代の子って、家庭ってこんな感じなんだぁと、新しい世界を見せてくれた。やさしさに溢れている。退勤後のLINEは疲れた体に染み渡るように、すーっと温もりを運んでくれる。私もこの家族の一員。そう感じる事で家族の繫がりを保っていた。

そんなある日、気づいたのだ。
もしかして、私姪っ子に忘れられてない…?!

私はLINEで繋がっとるつもりじゃけど、本人、この叔母の全力のコメントを見てないじゃんか。
しゅごい!きゃわいい!尊い…!変化があればめちゃめちゃ褒める。コメントに困る程の日常も、打たれたボールは全方位取りに行く。母がコメントに困っている事を予測し、乗っかりやすい言葉を選んで先にボールを返す。弟や義妹にも楽しんでボールを打ってもらうよう、私からもボールを追加して返す。

叔母業がんばってるんだよーーーー。
でも、姪っ子見てないんだよーーーーー。

そしていきなりお手紙かとな…。
共通の思い出もほぼ無いし、7歳児は前会った事も覚えてないやろし。しゃーなし私の自己紹介としても、コロナでプライベートは地味を極めている。映える写真などない。

どうしたもんかな。

お仕事の紹介をする事にした。
私は物流業界にいて、よく言えば伸び代があるが、まだまだ体力一本で勝負できると思われている業界だ。技術革新の恩恵を最後に受ける部署。

けれど、Amazonを筆頭に様々な技術が取り入れられ大きく飛躍しつつある。コロナでインフラの社会的役割が見直され注目されている自覚もある。これが国内の中小の物流会社に浸透するのは時間がかかるかも知れないが、過渡期をダイレクトに感じられる時代にきていると思っている。

これを7歳児に伝えるには。
言葉に詰まるーーー!

「ぶつりゅう」は「ときどき、ピンポーン、おとどけものです」って荷物を運んでくれるドライバーさんを例に「だれかに、ほしいものを、ちゃんととどける、おしごと」だと書いた。

どうだろうか…伝わるだろうか…。

また普段の私の様子も写真をつけてみた。
私はここで生きてますー!という意味で。
ヘルメット、防寒服、安全靴、マスク姿で露出している所が目しかないという現実。背格好だけで遠くの誰かを認識する独特の世界。飛行機や大型船を載せられれば良かったんだけど、倉庫に勤める一介の平社員だからさ。いやぁ〜、泥臭い!

ディズニープリンセスやプリキュア、いまは鬼滅にハマっている姪っ子に、私の姿はどう映るだろうか。夢を壊さないか心配でもあるし、叔母ちゃんのお仕事に少しでも興味を持ってくれたら嬉しいな、とも思う。

そしてこのお手紙はいわゆるお手紙ではない、というのもこだわりだ。パワーポイントで作成したプレゼン仕様になっている。
A4サイズ、製本テープで綴じた。スライドには其々お題があって左側に文章、右側に図や写真の汎用例。封筒の宛名も会社封筒を使った。うん、ごめん所長、一枚くすねた!
宛名書きも手書きは一切なし。ラベルに宛先を印刷して貼った。徹底してお仕事に寄せた。

会えない今、姪っ子達の成長を遠くから見守る事しかできないけれど、これからも出来る事は全力でやる!
そしてその成長の過程で、少しでも叔母ちゃんという存在を感じてくれたら、幸せだ。

この前投函したから、そろそろ手元に届く頃だと思う。どんな反応かな〜!ちょっと不安だけど、楽しみだ!

#いま私にできること

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