見出し画像

下田最前線②インスピレーション

 NORIKO MATSUSHITAさんに初めて会ったのは、去年の今頃。スリランカカレーのイベントをやるというので行ってみた。するとシェフがご主人で、彼女は受付をやっていた。このカレーが抜群に美味く、第2回も参加したのだが、よくよく聞くと、彼女が企画者である。しかもベルギーのブリュッセルやスリランカに美と健康とアートのサロンを構え、会社も設立している。
 これまでにいなかった大物にちがいない。体も大きなマシュマロみたいだし…。と思っていたら、今年の春先になって、さらにマシュマロが膨張していた。聞けば妊娠九ヶ月。翌月には出産である。
 …なるほどと納得しつつ、こんな時期にもかかわらず、新しいイベントを立ち上げたいという。名付けて「開国てづくり市」である。
「伊豆半島の心温まる豊かな暮らしの中で湧き上がってくるインスピレーションや、大自然からの恩恵を受けてものづくりをしている作家たちの発表の場を作りたいんです。他県や他国からアーティストたちも呼び寄せて、多くの人が交流できる場になったらいいかなと」
 僕は、大きなお腹を抱えながら発する彼女の言葉に、大きな衝撃と感動を思えた。
 ついにこういう人が現れたのだと。
 アーティストやクリエーターたちが、伊豆南部に集まっているのは知っていた。友人も多い。しかし個がかならずしも強くなく、しかも彼らを育てる環境が整ってない。最近では、下田に移住を希望するハリウッド俳優などもいて、彼女もまた、「下田ではインスピレーションが湧き上がるんです!」とNPOが運営する見晴亭に、トータルで一ヶ月も逗留していた。
 個を磨き、この地域の魅力を発信し、世界とつながる。NORIKOさんのような、オーガナイザーがいれば、弱い個も、集まることで力となり、磨き合い、面となって拡大し、いつしか深みを持ってくる。
 これが文化だ。しかも文化産業としての可能性も秘めている。伊豆は世界に誇る観光地であり、世界観光の枠組みに入りさえすれば、大きな消費地にもなってくる。例えば、バリやチェンマイ、ポカラのように。
 僕はNPOで協賛することを決め、伊豆下田法人会や下田ガスにも支援をいただき、7月に開催の運びとなった。
 全く新しいイベントが、下田で生まれた瞬間だった。NORIKOさんは生まれたての赤ちゃんを抱えて参加し、大勢のお客様で大繁盛である。すると、今度は、開国てづくり市は、NORIKOさんという窓口ができたおかげで、リゾートホテルやショッピングモールにも招聘された。
 来春には、ホテルで僕とNORIKOさんの講演会、ならびに開国てづくり市の同時開催が計画されており、5月には、第2回開国てづくり市も予定されている。
 NORIKOさんは、今ブリュッセルのサロンで活動している(写真)。11月には伊豆に戻るが、富山や石垣島などでも出張サロンを行う。コロナ禍という時期の中、彼女はまるで羽を休めるように伊豆にやってきた。そして再び、今度は伊豆を引き連れ、世界で飛び始めている。詳しくはこちらまで。

https://www.instagram.com/norikomatsushita_/

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?