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冬のお風呂を楽しむために 2月−7

 ふだんはシャワーだけで済ませているという人も、冷え込む日が続くこの季節はぜひお風呂タイムをゆっくり取って温まりたいもの。お風呂は体を温めてからだの疲れを取るだけでなく、気持ちにたまった嫌なことも洗い流してくれる、大切な癒しの時間。お風呂大好きな私としては、ちょっとした工夫でお風呂タイムを楽しんで、寒い冬を乗り切りたいなあと思うのです。

 その前に、ひとつ大切なこと。家庭のお風呂事故を防ぐ配慮についてです。心筋梗塞や脳卒中などの入浴における死亡事故は、11月から3月にかけての寒い時期に多発しています。その一番の原因となるのが、お風呂の温度と浴室や脱衣所の室温との差。特に戸建ての家では、浴室の温度が低いことが多いので気をつけて。

 寒い場所から急に熱い湯に入ることで、血管が収縮して「ヒートショック現象」を引き起こします。お年寄りは特に注意です。
 脱衣所にはファンヒーターなどを置いてあらかじめ室温をあげて。浴室は浴室暖房機があれば一番ですが、なければ入浴10分ほど前から浴槽の蓋を開けて蒸気で室温を上げ、シャワーで熱い湯を撒いて床も暖めておきます。浴槽の湯温は38~40℃に抑え、足から「かけ湯」をして徐々に浴槽に入る習慣を。

 当たり前のことと思われる方もいるかもしれませんが、厚生労働省の統計では、家庭の浴槽での溺死者数平成18年から平成28年までの10年間で約1.5倍に増加しており、そのうち65歳以上の高齢者数は4,756人で、家庭の浴槽での溺死者数全体の約9割を占めています。
 また、ヒートショックとは直接関係しませんが、5歳以下の子どもがおぼれる事故の多くは、浴室でおきています。子供は10cmの深さの水でも溺れてしまうので、入浴中に目を離さないことも大切です。

 家庭の中って、一番安全だと思いがちですが、家庭内での事故死は交通事故で亡くなる方より多いんですって。というわけで、まずはヒートショックや転倒を防ぐ対策を。次回は手作り入浴剤のお話です。


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