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男性にも女性にもなりきれない女の苦悩その6

その5の続きです。

それから数年して、ある男性と結婚した。夕食は毎日作ったし、できる限りの家事はして、完全に仕事と両立していた。

しかし、ここでも私の中の男が顔を出す。

夫婦の会話は完全に男女が逆転していた。

「仕事と俺、どっちが大事なんだよ」

「主夫になりたいから、十六夜が養ってよ」

本気なのか、試しているだけなのか、ただの憎まれ口なのか…

夫「この服おかしくないかな?」

私「大丈夫だよ。スーパーに行くだけだし、先週と同じだしね」

夫「適当に言ってるよね?ちゃんと見て言って!」

この後、何故か夫の機嫌が悪くなる。

この件を友人に話すと

「似合ってるよって言って欲しかったんじゃない?」と…。

え?そうなの?

近所のスーパーに行くためのジーンズとTシャツでも??

夫の言葉の裏にあるものが、女心というものに似ているように感じる。

それにしても、こんな簡単なことすらわからないなんて…
夫の裏の思いにも驚いたが、俗にいう女心がわらかない自分にも驚きだ。

友人と食事をすることになり、夫に連絡する時もシンプルなLINE。

それを見ていた友人が「それじゃ旦那さん、かわいそうじゃない?もう少し絵文字入れるとか何かできないの?」

私の色気のないLINEに呆れて、親切な友人が絵文字の使い方やかわいい返事の仕方などをレクチャーしてくれた。お陰で今は随分と女性っぽい返信ができるようになったと思う。

それでも、夫の望む反応が出来ず申し訳なさだけが募る。私では役不足だった。いつも淋しい思いをさせた。

そして今は、"元夫として"仲良くしている。

夫婦という枠では合わなかったのだと思う。

"メールやLINEは連絡ツール"

一般的に、そう思うのは女性より男性に多い傾向にあると聞く。

どちらかというと、私も連絡ツール型でちまちまとLINEをするくらいなら会って話そうよ、というタイプ。

しかし、女性はただの連絡ツールではなく、じゃれ合うツールとして位置付けていることか多い。

普段会えないならばLINEも立派なじゃれ合いツールだと思う。

けれど、どうしても、どんなに好きな人でも、LINEを毎日しなくてもいいよね?と思ってしまう。

そこに、愛情の深さは関係ない。

なかなか会えない相手ならLINEは週休2日がいいし、毎週会える相手なら、すぐに伝えたい事以外は基本的に事務的な連絡ツールとして利用したい。

「恋愛に冷めているって認めた方がいいよ」

「十六夜さんは、わからない。普通の女性の反応と違うから…」

好きな人からこう言われたことがある。

なんでも、女性が送る長いメッセージや写真に対して、男性がそれに見合わない短い返事をすると大抵の女性が憤慨するのだという。

女性と付き合っている男性諸君に聞きたい。

そういう経験は誰もがしているのだろうか。

私だって、女性的な部分は多分にある。

ちょっと長めのLINEに対して、短い返事だと、少しはガッカリする。

でも、それを相手にはぶつけない。

自分の中で「きっとあんまり興味なかったのかも」「読んでますよ! という合図としての返事なんだなぁ」などと思って処理されるだけ。

こうした私の男性的な思考も時には役に立つ。友人からの恋愛相談だ。

私は男性と女性の中間のような思考だから、LINEの量と愛情が比例しないことを身をもって説明できる。

その一方で、LINEの返事に右往左往したり、一喜一憂したりする女性の気持ちもわらかなくもないのだ。

最終に続く

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