見出し画像

今日もバグとクラッシュだらけな私で生きていく

ステイブルではいられない我らの身体

stableという言葉を初めて認識したのはおそらく海外ドラマのグレイズアナトミーだったと思う。医療現場をテーマにしたドラマだから「(患者の)容体が安定している」という文脈でよく使われていた。

今回使いたい意味とそぐっているのかなと改めて調べてみたところやはり、安定した・普遍の、といった意味みたいだ。
それとは別で、パソコンなどがバグもなく正常に動く状態もステイブルと言うこともわかった。

なにこれぴったりじゃん・・・。
「ステイブルではいられない。」
今まさにバグとクラッシュだらけの私にとってはぴったりな表現を見つけてしまったのだ。

つい先日の話だが、久しぶりに親友と話をした。
ものすごく仲がいいのに3ヶ月も会ってなかったのだ。

たわいもない話をしながらも徐々に、なぜ3ヶ月も会わずに時間が経ってしまったのかという胸のうちをポツリポツリとお互いに話し出す。
結果、ちょっとしたすれ違いによりお互いを忖度し合うという状況に加えて、自身のステイブルではない状態が大きく作用していたことがわかったのだ。

ステイブルでいられないのは私だけではない。
彼女もそうだったし、女性はみんなきっとそうなのだ。きっとね。

付き合いたてのカップルだったらとっくに別れてたよね、と笑い話になってよかった。
5時間も話してたけどね、私たち。

ステイブルだった時はあるのだろうか?

ステイブルではいられない理由、第一位。
女性は生理というものと切っても切り離せないのよね。

10代半ばに始まってからというもの、この生理に悩まされてきた。腹痛や眠気といった100万回は聞いたことある症状と紙ナプキン。
運動部だったし夏の試合とか最悪だったわん。

当時SPEEDというアイドルグループが流行っていて、キレッキレに踊って歌っている彼女たちをみて「生理の時大変そうだねぇ」とよく母と話していた。
まぁいつか子どもを産むために必要なことらしいし、仕方ないからなんとかやり過ごそう、と暮らしてきた。

ところが最近になって少し心持ちが変わってきたのだ。

妊娠を意識するようになると、より自分の体や生理と身近になるんだと思うんだけど、それは必然な気がするのだ。
妊娠中には生理が止まるのだから。あれはなかなかできない体験だよね。
卵巣的にはようやくステイブルな状態とも言えるのかしらね。

そして復活した時にまた憂鬱な気持ちになるのだが、私の場合は産前とは少し異なる気持ちだった。
なんていうか、体の正常値を計るバロメーターみたいな気持ちで迎え入れることができた気がするというか。

止まっていたものがまた始まるのだから、ほんの少し特別視して差し上げるチャンスになるのかもしれない。

10代20代の頃はこの生理というのが、お股から血が出ている期間だけのことでそれをいかにやり過ごすか、というところばかりにフォーカスしてきた私がいた。
さらには妊娠した時も最終月経開始日の週からカウントする意味があんまりわからないでいた。

だけどここにきてようやく理解し始めたのだ。
ステイブルではいられないのが私たちのノーマルだということに。

次のプロジェクトのローンチが迫っている毎日

股から血が出ているのはただの結果であって、すべては壮大なプロジェクト。
一定の期間を細胞という細胞が総動員で働いていて、それを達成させるためだけに進行している。しかもそのプロジェクトは絶え間なく立ち上げられる。
常に、とどまることなくプロジェクトが進んでいるわけだから、そりゃ同じ日なんてない。毎日が異なるフェーズなのだから。

女性を月の満ち欠けに重ねて表現する話を見聞きしては、これまでは「あ、そうね、ミステリアスな雰囲気をね、素敵よね〜」とちょっと皮肉も込めて眺めてきたけど、これにガッテンがいってしまったんだ。

月が見えると喜ぶ長男のマル。
一緒に月を探す日を過ごすうちに私も月の存在を意識するようになってきた。

お月さま自体の形は変わらないけど、毎日違う形を私たちに見せるんだよ、とマルに説明する。

そう、一日たりとも同じ形ではないのだ。
それはまさに私たちの体に言えることが月の満ち欠けにめちゃくちゃマッチしているのだなぁ。
このことをみんな言ってたんだねぇ。自分マダマダでした・・・。

ステイブルであろうとすると、かなり疲れるからやめよ

さらに思うんだけど、日本は四季があるから、春夏秋冬における気温や湿度、気圧など、そもそも我々がさらされている環境の変化ってかなり大きくないか?

環境の不確定要素と個の不確定要素の掛け算な毎日だから、そりゃステイブルではいられんわ!って気持ちになってきたのである。

何時間寝てるから大丈夫
これ食べてるから大丈夫
この運動しているから大丈夫

こう決めてルーチン化して思考停止したくなるけど、毎朝自分の体にセイハローしてたびたび見つめてあげないといけないのだ。

だけど、裏を返せば、耳をすませば答えが聞こえてくるってこと。
すでに正解を持っているとも言える。
そんな単純なものかもしれない。

今日も私は先週とも昨日とも異なる私で朝を迎えた。
耳をすませば答えは「ガタガタ」だったが、なんとかここまで書けたのだからよしとしよう。

さて、深呼吸でもしようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?