有機農業は本当に美味しいかという疑問。
2017.08.02 21歳
今日のテーマは「有機農業」である。そもそも有機農業とはなんだろう。有機農業の推進に関する法律に、その定義が記載されている。
農薬や化学肥料を利用する場合、それは慣行農法と呼ばれる。ここでいう有機農業とは、幅広くそれ以外の農法のすべてを指している。
【有機農業への疑問】
なぜ僕が有機農業に疑問をもっているのかを最初にお話しする。まず僕は消費者の意識に違和感を抱いている。
有機農産物だから美味しい。有機農産物だから安全。「有機」という言葉のイメージが先行しすぎて、結果として有機農業神話が生み出されている。
たしかに環境破壊が社会問題として意識されるようになった現代において、地球に優しい育て方を目指すことは農家の使命でもある。農業は生産するだけでなく、人と自然とのつながりをつくる役割も担うことができるからだ。
しかし有機農業だから美味しくて安全だという論理は間違っている。土には無数の微生物や虫が暮らしていて、植物はそれらの生き物と共生しながら土中から窒素・リン酸・カリウムほか様々な栄養素を吸収して育っている。
"良い"農作物を作るうえで、自然に任せることは必ずしも良い結果を生むわけではないことをまず認識する必要がある。環境に配慮することと、作物の品質はイコールではないということだ。
土壌をコントロールするために農薬や肥料があるならば、むしろその方が美味しい作物が生産できると考えるのが自然である。
【有機農業の本当の価値】
つまり有機農業によって安全美味な作物を生産するには、相当な知識と経験の積み重ねが必要になる。土壌や作物の様子を観察しながら、それに応じて必要な手助けを施してやらなければならないからだ。
有機農業だから美味しいのではなく、有機農業で美味しい作物を生産することは非常に難しいということだ。
カタチが不揃いでも味は美味しいこと、虫に食われているのは野菜が美味しい証拠など、果たして本当にそうなのだろうかと思うことが他にもたくさんある。単なる技術不足を有機農業のせいにしてはいないだろうか。
そのあたりの認識を生産者と消費者同士が共有することが、今後の農業の課題となってくることは間違いないだろう。
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