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農業と林業と漁業を一体で考える。これからの農家に必要な視点。

2017.08.01 21歳

現在、高知県で農業インターンシップを経験している。ここではニラの栽培・養鶏を軸に循環型農業を行っている。鶏糞で肥料を作り、肥料でニラを栽培する。そういった農業現場で働くなかで感じたこと、聞いたこと。

【産業を複合的に捉える】

たとえば農業の話で、耕作放棄地があったとする。この土地を耕作地に変えるためには、おそらくやる気で耕してどうにかなる問題ではない。なぜなら、そもそも耕作放棄地になった理由が存在するはずだからだ。

仮に獣害が原因だとする。

獣害は電柵を張れば解決するだろうか?
狩猟をすれば済む話だろうか?

手段としては有効でも、抜本的な対策にはならないはずだ。 なぜなら、獣害が問題となったそもそもの原因は解決していないからだ。

つまり、山を整備する必要がある。これは林業の世界と繋がる。

植林によって生態系が単一化し、山で暮らす動物たちの餌が少ない状況を生み出している現状を変えないことには、問題は解決しない。

山では水不足の問題も同時に引き起こされている。山水が減って川が枯れると、海にミネラルが注がれない。プランクトンが減って、魚が育つ海洋環境が崩れてしまう。海に魚がいなくなって、漁業が打撃を受ける。

【有畜複合・里山の暮らしを省みる】

それでは、耕作放棄地の問題を解決するために必要なことは何だろう。 「解決策はこれだ」という何か一つのものがあるわけではない。だから一方面からではなく、多角的なアプローチが必要になってくる。

もともと日本の農村社会において、農家は農地の耕作地以外に山林の管理をしていた。木を切り、薪を割って、田畑を潤すために川から水をひいてくる。農家によっては牛・鶏・山羊を飼育していた。

それらの活動が、所有権や分業制の概念によって分離してしまったことで、相互補完作用が機能しなくなってしまったことに問題がある。

【最重要課題は教育にある】

耕作放棄地への多角的なアプローチが必要であることは前述したが、そのなかでもとくに重要な要素は、教育だという話を聞いた。

たしかに何かの問題を解決するためには、その主体となる人間がいないことには何も始まらない。教育が根幹にあり、かつ観光・商工などの人を取り入れる要素が大切になってくる。

農林水産業・商工業・教育・観光。

これからの時代を生き抜くには、六次産業という言葉にとどまらず産業を複合的に捉える広い視野をもつ人間にならなければならない

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