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22歳から25歳までに考えたこと【更新を終了しました】

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大学を卒業してから社会人3年目までに書いた記事をまとめました。これからどのように生きていけばいいのかをずっと模索していた時代のこと。 【生き方・人生論・若者・青春・新卒】
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#漁業

海の色は毎日変化する。目に見えない生き物の話。

2018.08.29 22歳 【海で働いて疑問に思ったこと】 漁業現場からのレポート。ここ数日、海が濁っている。周りの漁師さんたちも口を揃えて「潮が悪いね」と言う。 海の中が見通せない。深い緑色をしていて、泳ぐ気もあまりわかない。 僕は疑問に思った。そういえば、季節によって海の色は違う。冬はもっと透き通って、底まで綺麗に写っていた。 漁師たちからの聞き込み調査と知的好奇心に基づく綿密な勉強の結果、海の生き物たちの「活動具合」によって海の色が変わるということが判明した

リアス海岸が漁業に適している理由をまとめる。

2018.08.06 22歳 【リアス海岸は豊かである】 僕は日本三大リアス海岸のひとつに位置する三重県で漁師をしている。 志摩半島〜紀伊半島(三重県・和歌山県) 三陸海岸(岩手県) 豊後水道(大分県) 日本は水産資源に恵まれた島国だけれど、これらの地域にはとくに恵まれた環境がある。この記事では、リアス海岸とは何か、そしてなぜこの地形が漁業に適しているを解説する。 【リアス海岸とはなにか】リアス海岸とは、狭い湾や入り江が複雑に入り組んだ地形のこと。 湾…陸地に

「潮時」は漁師言葉。干満差がある理由を解説。

2018.7.29 22歳 『サピエンス全史』という本が、2016年に出版された。この本は、学問の成り立ちについて語る文章から始まる。 高校生の頃に机の上で聞いた物理学は、浮世離れした学者の子守唄のように思えたけれど「どうして〜は…なのだろう?」という疑問を突き詰めた先に物理学があるということを、海のそばの暮らしが気づかせてくれた。 というのも自然界は学問の力を借りなければ理解できないことが多すぎる。 今回のテーマは潮流と干満差。 物理学を参考にしながら海水はなぜ動

海水魚が真水で生きられない理由を知り、生きることの本質に気づいた。

2018.6.22 22歳 東京から三重の漁村に引っ越してきて1年目。田舎暮らし初心者の僕には、まだまだ驚くことがたくさんある。つい先日、とあることが気になって夜も眠れなかった。 【海の魚が真水で死ぬ理由】大雨が降った翌日は海に層ができる。表面に近い部分には雨水(=真水)が、その下に海水(=塩水)がある。 それらが風や波・潮流で徐々に混ざり合うことで、徐々に濃度が均一に近づいていくのだけれど、大雨が降ってすぐは、海水魚は表面の近くを泳ぐことができなくなる。 海水魚は真

全国各地の生産現場を見て感じた“食の未来”。

2018.04 22歳 僕は大学生の間、食の生産現場を巡る旅をしていた。自分が食べるモノがどのように作られているのかに興味があったからだ。生産現場を知っていくなかで、今までの一次産業のカタチは維持できなくなると考え始めた。 これからの食の生産現場は二極化する。企業による大規模生産と、付加価値をのせた個人の小規模生産。 この記事では、一次産業の未来を想像する。絶対になくならない産業だからこそ、時代に沿ったカタチで生き残っていくことになるからだ。 【担い手不足という問題】