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🔰サックス奮闘記 その1

【 写真は銀座でストリートをしている時のものです。不定期ではありますが、この場所で吹き続けて20年になります。思い出すと本当に沢山の出会いがあり、僕にとってはとても特別な場所です。】


太田高校吹奏楽部は決して強豪校では無く、のんびり音楽を楽しむサークルの様な雰囲気でした。3年生の先輩がアルト、2年生の先輩がテナー、そこに僕も混ざりました。僕が借りた楽器はボロボロのヤマハの入門器。3年生の楽器は綺麗なヤマハのJガードの62。2年生の楽器はやはり入門器。すべて学校の備品でした。

いよいよサックス練習始まります。先輩の指導のもと。初めて楽器を吹いた印象は、想像とは大きく違いました。首からかけたストラップに楽器を引っ掛け、親指2本で楽器を支える。もの凄く安定しない。ほかの指で、操作しながらも楽器を支えなければならないのか?こんな超不安定な状態で、良くプロは演奏できるな。音も何か違うし。

こんな疑問を抱えつつ、先輩に促され練習します。ロングトーンタンギング。安定してくるまで先輩は時間をかけ一緒に練習してくれました。身を持ってロングトーンの大切さを教えてくれたわけです。これは吹奏楽部の凄く良いところだと思います。勿論僕が先輩になった時、一年生と一緒に練習しました。この文化は今でもきっと続いていることでしょう。

中学生時分、音楽を聴きながら、サックスを吹く自分をイメージして来ました。エアサックスってやつですね。出したい音のイメージもはっきりありました。これって多分、初心者の上達に大きく影響する事ではないかと思います。
僕の楽器から聴こえてくる音はイメージとは違いましたが、恐らく練習を重ねれば良くなって行くだろうと、気にせず練習を続けました。

そんな中、市内の高校の吹奏楽部が集まり、コンサートするイベントが近づいてきました。3年生の先輩は受験準備で休みがちで、この本番は、ナント僕が1stを吹く事になりました。まだ始めて一ヶ月。無謀過ぎる展開。しかし緊張よりも、嬉しい自分が居ました。

難易度低めの2曲。一曲は「マイレボリューション」渡辺美里さんのヒット曲ですね。もう一曲は覚えてません。
マイレボリューションは、アルトサックスのソロがありました。楽器を持って一ヶ月の僕がコンサートで立ってソロを吹くって、簡単な曲とは言え、今考えても凄い事と思います。
そして難なくこなす自分がいました。

僕は運動神経が特別良いわけではないし、物事の飲み込みも早い方ではありません。なのにこんなにスムーズにいったのは、頭にあるイメージや、こう吹きたいと言う願望があったからこそだと思います。勿論猛練習しましたが。

今、レッスンをしていて、生徒さんを見ていると、やはり、サックスが好きで、こんな音が、出したいと言う想いのある方は、上達が早い様に感じます。

コレって大事なコトって、僕は思うんですよね。

伊澤隆嗣オフィシャルサイト http://izawasax.com/

YouTube 田舎暮らしサックスプレーヤー伊澤隆嗣


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