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「『問う力』が最強の思考ツールである」マガジン

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本マガジンの内容が書籍化決定! 「『問う力』が最強の思考ツールである」(フォレスト出版)として2020年8月9日発売です。 「問いづくりの教科書(仮)マガジン」として行った出版企…
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2020年4月の記事一覧

2人称の問い

2人称の問いってどんな問い?2人称の問いは相手が存在する問いです。あなたにとっての“相手”は誰でしょうか?  あなたが先生なら、相手は生徒かもしれませんね。あなたが営業担当者なら、相手はお客様です。あなたがカウンセラーなら、相手はクライアント、あなたが親なら、相手は子供でしょう。あなたが上司なら、相手は部下。これはその逆もあるかもしれません。場合によっては、相手は“気になるあの人”であることもあるでしょう。 それでは、そんな相手に対して、どんな状況で問いが必要になるでしょ

問いの時間軸を考える

問いの時間軸とはアクションプランの立案を目的とした会議や授業、ワークショップなどで、「あなたは何ができますか?」という趣旨の問いを投げかけることがあります。 ここに時間軸を意識して問いを作ると、出てくる発言の性質や方向性が変わります。 下記3つの文章を見てください。 A:あなたは○○について、何ができますか? B:あなたは○○について、明日から何ができますか? C:あなたは○○について、1年間継続してできることは何ですか? Aの問には、時間軸が明示されていません。

「軸」を意識しながら、問いを修飾する

ここまでは、前提条件に縛られずに多くの問いを出すという趣旨のもと、元になるシンプルな問いを、あまり意味は考えずに修飾してみたり、変えてみたりするという練習を重ねてきました。 できあがった問いを改めて見てみると、一部の問いはある「軸」上に並ぶことがわかるでしょう。 一番わかりやすいのは時間「軸」です。 時間軸を考える例えば、「誰が赤いポストを掃除するのですか?」は「誰が赤いポストを掃除したのですか?」にもなりますし、「誰が赤いポストを掃除していたのですか?」にもなるでしょ

隠された前提条件と問い

前回のオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの変換を行ったときのことを振り返ってみてください。 前提条件(情報)と問い オープンクエスチョンからクローズドクエスチョンへの変換にあたっては、実はさまざまな前提条件や情報を付加しています。 例えば、「郵便局員が赤いポストを掃除しますか?」は、「ポストだし、やっぱり郵便局の人が掃除するのというのが、まあまああり得ることかな」くらいの思考が働いているでしょう。 このような前提条件があると、「野良猫が赤いポストを掃除しますか

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン

前回に引き続き、問いを変化させる練習を行いましょう。 オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンオープンクエスチョンとは一般的には疑問詞が使われて、自由に答えることができる問いのことを指します。また、クローズドクエスチョンは、いくつかの中から答えを選ばせたりする問い、Yes/Noで答えられる問いなどを指します。 オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの変換今度は、オープンクエスチョン(開かれた問い)と、クローズドクエスチョン(閉じられた問い)の変換の練習です。

問いを修飾する

疑問詞1つ、動詞1つからなる問いこの練習ができたら、次はこの問いを修飾してみます。 問いを修飾するちなみに修飾というのは辞書的には“ほかの部分の内容を詳しく説明すること”をいいます。 「ポストはなぜ赤いのですか?」を少し詳しくすると、例えば「このポストはなぜ赤いのですか?」などとなります。さらに「日本のポストはなぜ赤いのですか?」とすると、「この」よりも対象が広がりますね。そして何もない「ポスト」よりは、少し詳しい説明となっています。 また、語尾を変えてもよいかもしれま

“よい問い”をつくろうとすることからの脱却

“よい問い”とはなにか?この答えとして、さまざまな言い換えが試みられてきました。 “隠された前提条件を揺さぶる問い”、“深い対話を導く問い”、“価値観まで届く問い”、“内省を促す問い” etc. どうも、この命題には「そもそも“よい問い”というものが存在する」という前提がひそんでいる気がします。 例えばある問いが、多くの人とってはわかりにくく、ちっとも対話が深まらなかったとします。 ところが、この問いを持ち帰ったひとりが2年間、それを温めた結果、これまでの限界を突破でき

あるオブジェクトからさまざまな問いをつくろう

目に見えるものから、問いをつくるつまりあらゆる目に見えるものから、全方位的に問いをつくってみましょう。難しく感じられるでしょうか? 誰しもかつては問いづくりのスペシャリストしかし、ほとんどの方は、問いのスペシャリストだった時代があります。それは、3歳~4歳のころ、あらゆるものに「なに?」「なんで?」と言っていた時代です。 繰り返しになりますが、これは練習ですので、奇をてらう必要はありません。また、全方位的に多くつくることが目標ですので、「よい問いをつくろう」と考えることは

1人称の問い

1人称の問いとって、どんな問い?1人称の問いは自分に対しての問いです。“自分に対しての問い”というと、なんだか不思議に感じるかもしれませんね。 しかし、意識していないかもしれませんが、私たちは日々問いを自分に投げかけています。例えば、街で行列を見たら「あれは何の行列だろう?」と気になりませんか? あるいは、お昼が近くなって「今日は何を食べようかなぁ?」と思うことはありませんか? それらは立派な1人称の問いです。このように、1人称の問いは、人がさまざまなことを考えたり、判断し