「軸」を意識しながら、問いを修飾する
ここまでは、前提条件に縛られずに多くの問いを出すという趣旨のもと、元になるシンプルな問いを、あまり意味は考えずに修飾してみたり、変えてみたりするという練習を重ねてきました。
できあがった問いを改めて見てみると、一部の問いはある「軸」上に並ぶことがわかるでしょう。
一番わかりやすいのは時間「軸」です。
時間軸を考える
例えば、「誰が赤いポストを掃除するのですか?」は「誰が赤いポストを掃除したのですか?」にもなりますし、「誰が赤いポストを掃除していたのですか?」にもなるでしょう。
また「これから、誰が赤いポストを掃除するのですか?」「100年後、誰が赤いポストを掃除するのですか?」という未来に向けた問いとして、修飾することができます。
単に、過去か現在か未来かというだけでなく、「誰が赤いポストを掃除していたのですか?」は、なんとなく「今はその人は掃除をしていないかもしれないけれど」というニュアンスが感じられます。
これが「これから、誰が赤いポストを掃除するのですか?」だと「今までとは違って」というニュアンスが読み取れそうです。
これが自分の内省に向かう問いだったら
「5年前、熱意を持って取り組んでいたことは何だろうか?」
「今、熱意を持って取り組んでいることは何だろうか?」
「これから、熱意を持って取り組みたいことは何だろうか?」
なんとなく、時系列に並べただけでも、キャリアを考えるために役に立つ問いになりそうです。
さて、それでは他の「軸」にはどんなものがあるでしょうか?
対象の領域の幅・広さという軸
捉える対象の領域の幅や、広さを変えていくという「軸」もありそうです。
例えば「なぜポストは赤いのですか?」は「なぜ、日本のポストは赤いのですか?」にもなりますが、「なぜ、世界のポストは赤いのですか?」のように、より対象となる領域を広げて考えていくこともできます。
「日本のポスト」を対象とした場合、日本のポストが赤く決まった経緯に目がいくことになりそうですが、「世界のポスト」が対象となると、そもそも世界のどの地域のポストが赤いのかも知りたくなるでしょう。
さらに、それぞれの地域や国で、全く異なる「赤くなった理由」も知ることができるかもしれません。
このように、捉える対象の領域の幅や、広さを変えていく「軸」を意識して問いを多くつくってみることで、自分の本当の興味があるテーマでのリサーチクエスチョンを見つけ出すこともできるでしょう。
あなたの問いには、どんな軸を設定することができそうですか?