見出し画像

【鑑賞日記】法然と極楽浄土展を観に行った

特別展「法然と極楽浄土」@東京国立博物館

東博平成館をフルに使用の4章構成。

第1章 法然とその時代
第2章 阿弥陀仏の世界
第3章 法然の弟子たちと法脈
第4章 江戸時代の浄土宗 

第1章では、法然自身に焦点があたっています。法然の生涯を描いた巻物や法然の像などが複数展示され、いままであまり知らなかった法然のことを学ぶ場となりました。

人物に焦点のあたった展覧会はそこそこ観てきました。で、今回の主人公は法然だったわけですが、これまでの人物フィーチャー企画と比べると法然の人生になにがあったのか、あまりわからなかったなあというのが正直な感想でした。

法然って、順風満帆な人生というほどでもないけれど、あまり波乱万丈ではなかったらしく、要は絵巻に描くべきエピソードが弱いってのがその理由なのではないかと。もう少しじっくり絵巻を読み解くとみえてくるのでしょうか。
あ、展示作品自体は素晴らしかったです。

第2章は浄土宗。というか阿弥陀仏そのものが主役です。
「南無阿弥陀仏」という思想が描く世界が巻物や仏像で表現されています。

阿弥陀如来の三尊像、良いです。
他にも好きな三尊構成はあるんですが(たとえば釈迦三尊とか、自分は文殊菩薩好き好きクラブなもので)、阿弥陀三尊も好き。
というか、来迎図、早来迎が大好物なんですよ。あのキターッ!って感じの速度感、浮遊感とかね。ミーハーですみません。

ちょっと残念なのは、山越阿弥陀がなかったこと。自分が鑑賞したタイミングではすでに展示が終わってたんですよね。山越阿弥陀のデターッ!ってのが観たかったなあ。

第3章では、蒔絵厨子入阿弥陀三尊立像が想像していたよりも小ぶりで、でもあの微細な細工の美しさ。眼福でした。

順番は入れ替わりですが、綴織當麻曼陀羅は貞享本の展示。原典が観たかった気持ちもありますが、絵柄がはっきりくっきり観ることができるのでこれはこれでよかったです。特に最下部で浮かれ踊りまくる人物像が小妖精というかホムンクルスっぽくて面白い。

第4章は五百羅漢図も見事なのですが、見どころはやはり仏像群。どの仏像も見応えがあるのですが、やはりラストを飾る仏像涅槃群像が最高に最高でした。
涅槃像をはじめとする仏様たちも素晴らしいのですが、動物たちの姿がね、いやホントに。猫の無表情っぷりに見惚れることしばし。

今回の展示は選抜メンバーの出演だったんですが、これはフルメンバーをぜひとも観たい。
法然寺かあ。香川にはいずれお遍路に行く予定なので、そのときに絶対会いに行きますよ。全員が揃うのが来年末以降ということだそうで、先は長いですね。なんとも待ち遠しい。

ここ最近、浄土宗、浄土真宗に興味が沸いています。以前は修行という過程があって自己を見つめることが大事かなあと思っていたのですが、最近は物理的な修行を取らなくとも悟りの道はあるのではないか。と、そんな考えが出てきたせい。
百万遍とか、お題目を唱える機会が増えてきているせいもあるのかも。

そういった意味でも今回の法然展鑑賞はひとつの必然だったのかなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?