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カレーパンを食べるのって怖くない?
カレーパンは苦手だ。
いや、これは誤解のある言いかただった。
正確にはカレーパンを食べるときに表面についたパン粉(油分を多分に含んだアレ)がポロポロと散らばるのが苦手なのだ。
カレーパン自体はけして嫌いではない。そもそもカレーは大好きだし、パンだって美味しく食べている。だからカレーパンも本当ならば大好物になって然るべきなのに。
あの食べるときに不如意にこぼれ落ちるパン粉さえなければ、と思わずにはいられない。
カレーパンにパン粉をまぶす必要ってあるのだろうか? いやそもそも揚げパンにする必要ってあるのだろうか? 普通に焼き上げるので良いんじゃないのか?
で。なぜ揚げパンなのか、人類の英知、ネットで調べてみた。
諸説あるが、有力な説としては、発案当時はカレーという水っぽいタネを入れて焼くのが難しかったから。そしてその当時に流行っていた料理であるカツレツを模したから。ということらしい。
まあ当時の時代背景や技術的な理由については理解できる。できるが、現在においてもそれを踏襲するの必要はあるのか、とも思う。
現に、今では焼くタイプのカレーパンもあるではないか。まれにだけど。
食べにくさが欲求をスポイルするのはどうなんだろう。機会損失なのでは?
さて、カレーパンの元ネタのカツレツだがこちらは大好きだ。揚げものってサイコー。
ここだけ取るとダブルスタンダードのようだが、カツレツと揚げパンのどこが違うのか考えてみた。答えは簡単、受け皿の有る無しだった。
皿があれば、いろいろとポロポロこぼれても大丈夫。心置きなく食せるというわけ。
食べるときの状態というか状況というか、そういう準備があって成立しているような気がする。
ならば、カレーパンを食べるときにも皿を、あるいは紙ナプキンの類でもいい、何かを敷いて食べればいいだけの話なのかもしれないが、それってなんか負けた気がするじゃないですか。面倒臭いヤツと言わば言え。
同様の理由で苦手なパンがある。
クロワッサンである。
あれもポロポロとくずれてまわりに散らばるのが苦手である。こちらは表面のパン粉ではなく層状のパンの中身だが、だからこそたちが悪い。だってパンのすべてがこぼれ落ちていく可能性を持っているんだもん。いやもう腹立たしい。
さらにもひとつ言えば、ミルフィーユのようなパイ生地スイーツも苦手なのですよ。味はあんなに美味しいのに。あの生地のポロポロ感がすべてを台無しにしてはいないか?
カツレツの例に従って皿の上で食べるんだからいいじゃないかとも思うのだが、くずれた破片が皿に散らばっていくのがなんか好きではない。
カツレツと比べると散らばった破片の量が違う。許容の閾値はここらへんにあるように思う。
食べものは味だけではなく食感も大事。そして食べたときのその場の状態も大切なのだ。
なんかね、カレーパンを、そしてクロワッサンを、心置きなく美味しく食べる方法ってないもんだろうか。
24年5月24日 初出
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