お花見チェアリングが楽しかった話。あるいは理想の花見についての自分語り
2024年春。
三寒四温とは名ばかりの肌寒い天候が続くかと思えば、もうすでに夏じゃね?的な暑さになったりと、まあ天気に翻弄されまくってはいたが、それでも桜のシーズンはやってきた。
例年よりもはやい開花なのでは? といった当初の予測から大幅に遅れていた桜も満開、こりゃ花見に出かけなきゃならんでしょう。てなわけで、キャンプチェアを背負ってお花見チェアリングに出発である。
この時期の鎌倉はそこかしこで桜が咲いていて花見のポイントには事欠かない。
たとえばド定番中の定番である段葛は、まさに桜の隧道を歩くようで素晴らしい。
が、もちろんそれに限らず街なかの至るところで桜が咲いている。だから普通に散歩でフラフラ歩くだけで花見的な満足度は高い。
鎌倉は桜といってもソメイヨシノだけではない。八重桜や枝垂れ桜なども見ることができるし、鎌倉ゆかりの桜なら玉縄桜も咲いている。そもそも鎌倉市の木はヤマザクラだし、とにかくさまざまに多くの桜を堪能することができる。
もっとも自分は桜の種類を見分けられるほど詳しくもなく「嗚呼、綺麗に咲いていることよ」といった素人感想ばかりなのだが。だからといってその美しさを減じることはない。
さて。鎌倉では桜はそこかしこで咲いていると言ったが、その多くは寺社仏閣の境内だったりする。だから騒がしくなく花見が楽しめるとも言えるのだが、ここで本題。今回のミッションは、まったりお花見チェアリング。
お寺の中で椅子を出すのはどう考えてもよろしくない。
椅子を出すなら公園系だよね。
ということで訪れた某公園。
ついてみて勝利を確信したね。桜は満開。
新緑に包まれた中で桜が咲き誇る姿は実に美しい。葉桜まじりもあるが、それは開花が進んでいるのかはたまた樹種の違いのせいなのか。そよ風が吹くと舞い散る花吹雪もまた一興。
まさに本日、ベストタイミングのジャストタイミングなのだった。
当然このチャンスを逃すまじ。と、そこそこ多くの花見客もいらっしゃる。もっとも、アクセスにそれなりに時間がかかるの場所ゆえ、ウェーイなパリピ集団ではなく、地元の仲間同士の宴会や散歩ついでのファミリー層が中心で、騒がしくない。のんびりするにはちょうどよい。
はじめは陽光降り注ぐ日向に陣取っていたのだけれど、思った以上に暑いので日陰に移動。適度な涼しさで半端ない心地よさである。
しばらく本を読みながらまったりとした時間を過ごす。
自分が常日頃思い描いている理想の花見は、ひとり静かに桜の木々に囲まれてぼーっとするというものである。
傍らにあるのは、カナッペやバゲットサンドとスパークリングワイン。あるいは板わさやしめ鯖に純吟新酒。ゆっくりと目と舌で春を味わいながらのんびりしたい。もちろん缶ビールも悪くはない。燻製肉とヴァイツェンならいうことなしだ。
もっとも、本日はきっと人出もあるそれなりにあるだろうし、そんな状況で自分の巣をつくるのは気が引けるので、持ってきたのはお茶だけにした。
それでも腰をゆったりと沈めて落ち着けるキャンプ椅子があるだけで、ワンランク上の気分を手に入れられる。
と、そんなこんなの花見である。でもって、こうやって桜に囲まれた現場でこの記事を書いているわけだ。ふと顔をあげると、極々淡い薄紅色が目に入っているのはなんとも眼福。癒しのひととき、この上なしである。お酒ありの花見はいつか別の機会に愉しもう。
そんなわけで、今回のチェアリングもよい時間を過ごすことができました。ではまた読書に戻ります。
現場からは以上です。
24年4月12日 初出
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