魚も星もわが兄弟(「老人と海」感想)
「老人と海」読みました。
めっちゃいいじゃん!?
わたしは勘違いをしていて、昔国語の教科書で読んだ少年の漁の話だとずっと思っていた。わたしの記憶では、老人を殺めた大きな魚と少年が戦う。当然ねつ造である。かなり後半になるまで「この老人はいつ死ぬんだろうな」と思ってた。馬鹿か。
途中までは時代も背景もよくわかんないまま読み進めていたけど、一度漁のシーンに入ってしまえば俄然引き込まれる。
すっごい人類学的な話だなぁってちらと思った。というのも、狩りをする人間は、罠をかけたり戦ったりすることを通して、命をコミュニケートするという話を(簡略化しています)読んだことがあったから。それが人類学の本だったからそう思うだけかもしれない。けど、これはかなり人類あるあるなんじゃないだろうか。
戦っている魚を、星を、兄弟と呼びならわす老人。形は違えど老人と巨大な敵は対等で、ぶつかり合って命が閃く。最上のリスペクトのある素敵な戦いを見てしまった。戦うこと、殺めること、生きることのそのままの重み(軽さ)に触れる。
訳が古かったので(新潮文庫、初版1966年。平成15年の改定でどこまで訳が変わったか謎)もっと読みやすいものがあったらそれも手に取ってみたいなと思ったりしました。あるいは、原文に挑戦してもいいかもしれない。
追伸。こんなに解説らしくて何を言っているかさっぱり理解が追い付かなかった解説は久しぶりだった。また読む。
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