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電波戦隊スイハンジャー

232
神も仏も小人も天使も異星人も暴れるヒーロー戦隊もの
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#異能力バトル

電波戦隊スイハンジャー#232 鍵は開かれた

電波戦隊スイハンジャー#232 鍵は開かれた

第十一章 プラトンの嘆き、英雄と賢者8鍵は開かれた

カフェのテーブルの上には半分飲み残されたコーヒーカップと空になったクロック・マダムの皿が二つ。

1975年初夏

東ドイツの諜報員、マティオ・クラウゼはつい40分前に再会した娘イリスと孫娘アガーテとベビーシッターのアマーリエが去った後のテーブルをぼんやり見つめていた。

愛する我が娘、イリス。

先程私がお前にしてしまった事は強引が過ぎたかも

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電波戦隊スイハンジャー#62

第4章・荒ぶる神、シルバー&ピンクの共闘ミレニアムベイビーズ3

東寺。またの名は教王護国寺。教王護国寺という名称には、国家鎮護の密教寺院という意味合いが込められている。

延暦15年(796年)創建とされ、20数年後の弘仁14年(823年)、真言宗開祖空海は嵯峨天皇よりこの寺院を給預された。

この時から東寺は真言密教の根本道場となった。

平成6年(1994年)12月、「古都京都の文化財」とし

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電波戦隊スイハンジャー#75

第4章・荒ぶる神、シルバー&ピンクの共闘

白拍子花子5

葉子が右手を中空にかざすと、

先の戦闘でぐちゃぐちゃになっていたテーブルと料理の瓦礫からベネチアングラスのコップが浮き上がり、

葉子の右手のひらに吸い込まれて、触れた瞬間にぐしゃっ、と砂粒よりも細かい粒子と化して、消えた。

(諸君には解りやすいように、敢えて粒子を視覚化してみせた…

分かるかね?私には、物質を素粒子単位まで還元する

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電波戦隊スイハンジャー#76

第4章・荒ぶる神、シルバー&ピンクの共闘白拍子花子6

風の翼に乗って飛んでゆけ

懐かしい歌よ、ふるさとへ、

 気が向くままにおまえを口ずさんでいたふるさとへ、

 私たちもおまえもあんなにも自由だったふるさとへ

虜囚の女たちの歌声と共に、葉子は、目覚めた。

なんでうちは閉じ込められとるのや?

異様な形態をした3畳ほどの部屋に自分がいる。四方の壁は上方の頂点に向かってすぼんでいる。

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電波戦隊スイハンジャー#77

第4章・荒ぶる神、シルバー&ピンクの共闘焔の天使ウリエル

2013年8月8日、夜9時10分を過ぎている。

四条川床付き屋敷のミュラー邸は屋根と2階全部を失い、曇った夜空の元にさらされていた。

京都市内は猛暑日続きの蒸し暑い夜だったが、この場所は鴨川からの風が寒いくらいに吹き付ける。

近未来的デザインの、メタリックオレンジの甲冑に身を包んだ身長2メートルの青年天使が廃墟と化した邸宅の、辛うじ

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電波戦隊スイハンジャー#184 血戦

電波戦隊スイハンジャー#184 血戦

第9章 魔性、イエロー琢磨のツインソウル血戦

同時に黄色と緑色の閃光が強く瞬き、それが消えたかと思うと燃える不死鳥の刺繍を施した黄色の戦士と全身に草木の刺繍を施した緑色の戦士が福明の前に現れた。

「そうか…君たちも『選別』されてここまで来たんだね」

紅い瞳を輝かせて福明は何故か嬉しそうに笑うと背後のコートハンガーに掛けてあった白いローブを纏う。

そのローブは秘密結社「プラトンの嘆き」の幹部

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電波戦隊スイハンジャー#185 双子の鳥

電波戦隊スイハンジャー#185 双子の鳥

第9章 魔性、イエロー琢磨のツインソウル双子の鳥

その頃、根津の下町バー「グラン・クリュ」の2階休憩室で待機していた若者の右手首に黄色い麻のミサンガが浮かび上がった。

兄ちゃん…!

彼は都城及磨、琢磨の双子の弟である。
昨夜、彼が名前を呼ばれて目覚めると天井に忍びが張り付いていた。
自衛隊宿舎の彼の部屋に忍び込んだ小角である。

(いいか、及磨。一回しか言わないから明日の休日は俺の言う通りに

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