甘い静かな時間
彼との甘い静かな恋は、突然始まった。
私には、いつも訪れる静かで心休まるレストランがある。
森の中のレストラン
calme
大切なお友だちや、夫ともよくそこで過ごしている。
それは突然起こった。
一瞬何が起こったか分からなかった。
甘くフワフワしたマシュマロのようなキス
胸が苦しくて熱くなる。
それでいて、穏やかで心地いい安らぎを感じるキス
彼の人柄が現れている。
彼との出会いは、きっと早かったんだけれども、私が意識し始めたのは意外と最近なのだ。
しかも、朝倉、わたしの夫だ。
彼の一言から意識し始めるようになってしまった。
森の中のレストラン
calme
初めて訪れたのは、職場の同僚に連れてきてもらった時だった。
店内は、心地いい薄暗さ。
天井は高く広々としてゆったりしている。
すべての席がソファー席だ。
まるで森の中にいるような緑の木々は、優しくテーブル席を覆っている。
一度座ったら動きたくなくなるほど癒されるお店だ。
このお店をすっかり気に入ってしまった私は、その日依頼お友だちと過ごす日は必ず訪れている。
そのせいか、なんとなくスタッフの方々は私を覚えているようだ。
私がこのお店でいただくのは、決まってポットで出てくる紅茶だ。
上質のフレーバーティーが揃えられていて、とっても香り高く上品な香りにいつも癒される。
「ここの紅茶は癒されるわね」
一緒に訪れるお友だちは、みんな声を揃えて言っている。
そんなある日、
「ねえ、さっきの人変わった名前ね。それにすごく声も心地いい」
気にも留めていなかった私は、
「そうなの?気づかなかったわ」
「お水、お入れしておきますね」
確かに!
静かで少し低い穏やかな口調は、とっても心地よく癒される声をしている。
「ホントだ。心地いい声」
「でしょ!」
その時から彼の声が気になって仕方なくなっていた。
隣のテーブルで注文を受けていたり、話し声が聞こえると耳を傾けてしまうようになった。
このお店のスタッフは名札をしている。
フルネームだ。
お友だちが言っていた変わった名前。
彼の名前は確かに変わっていて素敵だった。
しかし何と読むのか分からない。
輝
なんと読むのだろう。
夫が一度行ってみたいと言い出した。
「君がよく行っているあのお店。僕も一度行きたいな」
「そうね。あなたが好きそうなお店の雰囲気よ」
そう言って、一度訪れた夫が今は常連のようになっている。
そんなある日
「あの彼、名前なんて言うの?読めないんだけど」
「そうなのよ。私も分からないわ。聞けないじゃない」と。
そして彼が通るたびに
「彼、いい声してるね。話し方も心地いいよね」
と、思うことは同じで彼のことが気になるらしい。
もちろん事前に彼のことは話していない。
私は、この時すでに彼が気になっていたのかもしれない。
「夫も言うくらいなのだから、魅力ある人なのね」と、
気づいたら彼を見ていたような気がする。
白いシャツに黒いズボンをはき、さらに黒く長い腰で巻くエプロンをしている。
彼は細くて華奢だ。
そしてとっても色が白く、きめ細かいきれいな肌をしている。
髪は短めで、ふわっと緩いパーマをかけている。
顔は小さく爽やかな美形タイプだ。
フレームが細いめがねをかけていて、とっても似合っている。
身のこなしも品があって、こういう時だからこそ育ちが出るんだろうなと思う。
シャツをまくり上げた細い腕には、金属の大きな時計をしている。その腕を見た時、とってもドキドキしたのを覚えている。
顔の割にワイルドな時計が、男らしさを見せつけられた気がした。
最近はみんなアップルウォッチが多い。
そんな中で見たワイルドな腕時計は、彼の魅力を倍増させていると思った。
料理を運んで来た時まじまじと見てしまった。
「彼、すごく肌がきれいと思はない。それに品がある顔立ちね」
「そうだね。こちらも気持ちが穏やかになる。何才だろうか」
と、夫婦の会話も彼で持ち切りだ。
彼の話が多くなるにつれ、そのうち無意識に彼を目で追うようになっていた。
to be continued・・・
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