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【最終報告書」新しい働き方実験(第3期)指定企画「海外ワーケーションで、人生観 ・ 価値観に変化は起きるか?」 「起きました!」



◆「研究員制度」の趣旨について

本記事は、ランサーズ新しい働き方LABの「研究員制度」に応募するために、私個人が行う「働き方実験」についてまとめたものです。
「研究員制度」にご興味のある方はこちらへどうぞ。
https://hosting.lancers.jp/lp/lab_researcher/

◆実験の目的と背景

 前回の新しい働き方ラボ研究員制度2期「指定企画LAC~場所にしばられないLivingAnywereな生活は人にどんな変化をもたらすか」という実験をこなした結果、仕事と考え方の幅が深くなり、日本各地に友人が増え、生活と生き方を見直すことができました。
 それまで25年くらい、あまりどこにも行かず会社員をしていた自分がフリーランスになり、日本中金策しながらあちこちを巡ることは、今までの人生にない劇的な体験でした。
 価値観はひっくり返りはしませんでしたが、大いにキャパシティが広がりました。

 これらを踏まえて、今回は活動範囲を海外にまで拡張しようという試みです。さらに見識や交友を拡大していきたいと思います。

◆検証したいこと

前回のワーケーションでは、PCを携えて日本各地に行き、そこで手持ちの仕事をこなすという形式でした。
今回は、まず海外ならではという仕事ができないものかと考えました。

私は12年家電メーカーでプロダクトデザイナーとして勤務したのち、1年調理師専門学校に行って、その後和食の会席料理の老舗で10年間板前の修業をしたというキャリアがあります。

この履歴を生かすことができないかと考えた結果、海外の寿司屋でワーケーションをしてみたいと思いつきました。
特殊技能が要るバイトなので、往復滞在費用プラスアルファくらいは稼ぐことができ、とても興味のある海外厨房事情や、食の現状を突っ込んで観察できそうと考えたからです。

◆この半年間やったこと=実験の具体的な内容

1.寿司教室に通った

寿司屋をやるには、もちろん寿司の技術が必要です。私は会席料理は作れますが、うちの店では寿司は寿司職人さんがきて握っていたので、本格的な握りの技術は未収得でした。
ために、「寿司日本橋・寿司教室」の「寿司の技術が概ね学べる 実りの全20回講座」に3ヶ月通い、無事卒業しました

卒業証書授与

2.築地の魚の仲卸さんで、毎週働かせてもらう

寿司屋は魚と米をあわせるだけの至極シンプルな料理です。だからこそ、一切のごまかしがききません。最良の状態の米と、最良の魚を合わせるためには、魚の目利きができて、さらに魚を状態のよいネタにする技術が要ります。5年前、魚を卸すのが下手だった私は、店の出入りの魚屋さんに、お金は要らないから、店の休みの日に働かせてくださいと頼み込んで、以来、毎週一日、早朝から7時間ほど魚を卸す作業をさせてもらっていて、今なお、通っているのですが、おかけでノルウェーサーモンや舌平目なども扱えるようになり、フグ調理師免許もとることができました。
 この5年のおかげで、寿司教室でも問題なく魚を扱えたことは、本当に良かったことでした。

帝国ホテルに納品用の金目鯛・これから三枚におろす
東京會舘納品用・この後私がおろしました

3.ニューヨークでファーストワーケーション

ご高齢の日本画家の方が、NFTアートを作成したみたいのだけどもITがさっぱりわからないというので、PHOTOSHOPとillustratorの家庭教師をしていたのですが、その方が、NYのチェルシーでグループ展に参加するというので、ITアドバイザーとして、ご同行させていただきました。
初のアメリカ旅行は、三日と短い期間ながら、視野を広め気持ちを海外に向けることができた、貴重な経験でした。一日マンハッタンとブルックリンツアーに参加し、ニューヨークの歴史をどっぷり勉強できたことも良かったです。

4.フィジーに語学留学した

海外に一人で行くとなると、語学は必須です。
まるで私のために?と思うタイミングで、友達の英語講師がフィジー留学と
英語コーチング企画を立ち上げたので、大喜びでのっかってみました。

20237/21~8/2まで、フィジーにある、カラーズという語学学校に通い、インド人家庭にホームステイしました。
その中の企画で、フィジー料理を習い、こちらから和食を教えるという企画が立ち上がったので、プロとしてメイン講師を買ってでました。

英語のレシピもつくり、日本から食材を持参して、巻き寿司・稲荷寿司・そうめん・天麩羅を一緒に作って、実食し、大変喜んでいただけました。

お稲荷さんを一緒につくっています
一緒に作って食べたみんなと
翌日のランチはフィジーの郷土料理の作り方を習って、食べました、美味しかった!

5.寿司教室卒業、麻布十番の寿司屋に就職

7月から通い始めた寿司屋の卒業試験を無事にパスして、卒業。しかし、海外でのバイト募集をみると、ほとんどが日本国内で勤務経験があることを前提としています。業務オペレーションができないと雇用はしてもらえないので、まずは寿司屋で経験を積むために、「求人飲食店ドットコム」の職人募集に応募したところ、一件目の面接で合格したので(10年の板前経験を買ってくれたとのことでした)9月下旬から勤務をはじめ、毎日新しい調理技術や魚の仕込みを教わっていて、最近は厨房仕事を一人で任されるようになりました。現在も勤務中です。お客様の2/3が海外の方なので、英語の経験値を高めるにあたっても、とても勉強になっています。

6.渡航計画の立て直し

和食の業務は旬の食材を扱うため、季節ごとにメニューが全部入れ替わるので、仕事を覚えるのには1年はかかります。最低でも来年の9月までは寿司屋の修業期間となるので、今期、寿司屋でのワーケーションはあきらめることにしました。

代わりに

フィジーで、海外の方に和食を教える楽しさに味をしめたので、今後もこのような活動をしていきたいと考え「一般社団 外国人向け料理教室協会ssociation of cooking for Foreigners.」の認定講師になるべく、帰国後すぐに受講を開始しました。

また、和食を教えるための知識不足を痛感し、和食の知識を系統立てて学ぶため、農水省「和食文化継承リーダー」研修を受講開始しました

この二つを踏まえて、今後、世界中で料理を通じた国際交流をしていくにあたって、タイの文化と料理を学び、かつIT仕事も向こうでこなすワーケーションを実行するという方針に変更することにしました。

7.出張料理でワーケーション資金を捻出

ちょうど、寿司屋が三連休する期間があったので、そこに2日お休みを追加してもらって、PMのアヤトさんが住んでおられるタイに行く計画をたてました。
が、資格習得にお金をつかってしまい、手元不如意でこまっていたところ、降ってわいたように「出張料理」の依頼が飛び込んできました。
暁方ミセイさんという詩人の出版記念パーティの料理を作ってほしいとのこと。依頼後に詩集を読んで、すっかり惚れこんでしまい、大喜びでお受けしましたが、このお仕事のおかげでタイの渡航費宿泊費がまかなえたので、ワーケーション目的の旅費の捻出としては最高だなと思いました。

喜んでいただけてなによりでした

6.タイでワーケーション

タイ旅行については、あたらぼ「ライター部」のえなさん
素敵なインタビュー記事を書いてくださいました、
そちらがとても読みやすくまとまっていたので、こちらに貼らせていただきます。えなさん、本当にありがとうございました。

以下、タイ旅行のリアルタイム投稿インスタ投稿で、タイ旅行報告とさせていただきます。





7.番外・モロッコ旅行

ふりかえってみて、ことしの3月、研究員制度に申し込む前に行ったモロッコから、私の研究ははじまっていたと思うので、付け加えておきます

◆最終報告総括

視点その1:自分にとって新しい働き方につながったか?


1.自分の特技と技能を見直し、それを伸ばすための方策を探り実行できた
海外ワーケに行くために、自分の技能と能力を見直し、やりたいことを掘り下げた結果、寿司職人修業をはじめることになりました。収入も大幅にアップしたので、いいことづくめです。

2.自分の本当の興味関心を掘り下げることができた
海外に行くことによって、長く学んできた和食と日本文化を伝え、また海外の文化を学びたいという欲求がわき、積極的に日本文化を学び、料理講師の資格習得をしました。
それにともない、英語の勉強もとても頑張りました。
英語が話せると、世界中の5人に一人と話せるようになるといいます。世界中の人と交流できるよう、毎日学習中です。来年はTOEIC900点目指して、計画的に毎日学習しています。

3.視野が広まり、大きな野望を持つに至った
日本でフリーランスを続けていただけでは思いつかなかった、この先やりたいことをたくさん見つけました。
海外でいろんな人に会って、いろんな意見を聞いたり、LACで日本中を旅してまわった結果たどり着いたことです。

1.廃棄食材を有効活用したい
2.御飯がたべれない子供を減らしたい、いっそ国の力でなくしたい。

日本各地にこども食堂がありますが、こころある主催の方が続けられなくなれば終わってしまいます。私はごはんを食べることがとても幸せで、おなかを減らしてつらい子供がいることが辛いので、自分のつらい気持ちをなくしたいというただのエゴでなんとかしたいと考えています。
また、モロッコで羊を捌いてから、命をいただくことのありがたさを痛感したので、無駄に打ち捨てられる食材があることも耐え難いと思っています。
まだ方策は見つからないのですが、とりあえず、再来年海外に行き、何年か寿司で稼いで事業資金をためて、ブレーンを雇って、国に働きかけてみようかと考え付きました。自分はこの年までずっと、周りの人に幸せにしてもらってきたので、余生は何か社会に恩返しがしたいと思ったこともあります。
タイで、象の保護活動をしている女性を知り、保護施設を訪問して、夢はあきらめなければ叶っちゃうかもと強い気持ちをいただきました。ガイドさんが「はじめは何もない土地に、柱を立てるところから始めたんだ」と言っていましたが、今は、驚くほど立派な施設になり、傷ついた動物たちの駆け込み寺のようになっています。

誰かがやってくれないなら、自分がやるしかないんじゃない。
第三期の研究で得た最大のことは、やりたいことをみつけて、自分の心に未来へ向かう最初の柱を立てることができたことです。


今後どのように変わっていくかわかりませんが、とりあえずこれから、こんな感じで生きてみようと思います。

視点その2:数字化/見える化はできないか?

海外渡航記録 2023年
3/25~4/3 モロッコ
7/16~20 ニューヨーク
7/21~8/2 フィジー
11/19~11/23 タイ チェンマイ・バンコク

取得資格・勤務履歴

寿司教室卒業
【研究前】フリーランスデザイナー 
 →【研究後】フリーランスデザイナーをしながら寿司職人修業中
外国人向け和食講師資格 (あとは最終試験を1月に受けるだけ)
農水省・和食文化継承リーダー (最終レポート提出済み・認証待ち)
江戸東京蕎麦の会 蕎麦打ちインストラクター養成コース(受講中)
TOEIC 900点(来年取る)

視点その3:運転席に座ってみて / 座ろうとして変わったことは?

新しい車に乗り換えて、行先を定め、そのためにやることをみつけることができました。第三期に申し込んでいなかったら、このようなことはできていなかったので、本当に大きな変化です。
今回、第三期に申し込み、全精力をそそいで活動してみて本当に良かったです。
一緒に海外ワーケで活動したみなさま
無駄団の仲間たち
ご尽力くださったPMのアヤトさん、えりたかさん
2期からの仲間たち
本当にありがとうございました。いつも、一人では何にもできないけど、みんながいれば百人力と思って生きています。


おまけ

一昨日、はじめての子供向け料理講師の仕事をしてきました。野望、順調に進行中であります。


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