料理しないアラサーinスーパー

今日お昼休みにヨダレを垂らして爆睡していたら、
好きな人の工場の募集が出ていて埋まってしまった。
たった3分前に出たはずなのに!
わたし来週も有給取って行こうと思ってたのに!


わたしの好きな人は、

チケット即完の人気バンドだったんだろうか?


募集が4人じゃキャンセル待ちも絶望的だ。
あぁもう!!!


悲しいけれど、
今日も本業が終わってもバイトだ。
近所のいつも感じの悪いスーパーで品出しをする。
毎週行ってるけど毎回やる気が湧かないので、
わたしはそこにはいつもすっぴんで髪も梳かさずに行っている。


今日は珍しく慣れた男性タイミーがいたので、
わたしはほとんどやることが無く、
なんとか時間を潰してきた。


わたしは実家暮らしなので普段から料理はしない。
休日も働いているか遊んでいるかなので、
スーパーにはほとんど行かない。
だからたまに客から「〇〇はどこにありますか?」と聞かれてもさっぱりわからない。
普段からスーパーで買い物をしている人達が見つけ出せなかったものを、
慣れないわたしが見つけられるわけがないのだ。
いつもいつも変なものを聞かれるので、

「めっちゃ無茶振りなんだけど!!!」



と毎回思う。
不思議なのは、
声をかけてくるのはお年寄りではなく、
意外とわたしと同年代の子連れの主婦や、
若めの男性が普通に聞いてくるのだ。

夕方から夜の時間帯にしか来ていないからかもしれないけれど。
なんで自分で探さないんだろう?
人見知りには理解不能だ。

まず小学生くらいの男の子に、
「ごまプリンありますか?」と聞かれた。
ここでそんなものは見たことがない。
チーフに聞いたらやっぱり無いらしかった。


2人目は車椅子のアラフォーっぽい女性に、
「塩昆布どこにありますか?」と聞かれたのだけど、
わたしは昆布製品が嫌いでまず食べないので、

まず塩昆布が何かわからない。


困った。これは誰かに聞かないとわからない。
夜だからパートさんもいなくて結構困るのだ。
わたしはいつもいるおじいさんみたいな店員を見つけ、
「塩昆布ってどこにありますかね?」と恐る恐る聞いてみたら、
おじいさん店員は「ふりかけのとこ!」と即答した。
すげえ!さすがここの人。
年寄りだと思ってナメててごめんなさい。


3人目はベビーカーを引いたサラリーマンに、
「天かすってどこにありますか?」と聞かれた。
蕎麦とかに乗ってるやつか…たぶん。
太りたくないわたしは蕎麦もうどんも月見しか食べないので自信はないけれど、
母親が買ってきたのは冷蔵庫で見たことがある。
しかしこれもどの売り場にあるかまではわからない。
さっきのおじいさん店員を探したけれど見つからないので、
わたしはすごく感じの良いもう一人の男性タイミーに「天かすどこにあるかなんて知らないですよね?」
と恐る恐る聞いてみた。
夜は本当に聞ける人がいないのだ。
男性タイミーは客に笑いかけるようににっこり笑って
(このスーパーは感じが悪過ぎて客に笑いかけるような店員はいないのだけど)、
「どのお客様ですか?」と聞いてくれた。
よかった!助けてもらえそうだ!

わたしはどの客か教えて去ろうとしたのだけど、
男性タイミーに「せっかくだから一緒に見ましょう」と言われて一緒に付いていくことになった。
男性タイミーがにこやかに客に、
「常温の商品だけど冷蔵コーナーにあるんですよ」
と話しかけると、
客は「そうなんですね!全然見つからなくて…」
と突然別人のように話し出した。
やっぱり感じの良い人が来ると、
客も対応が違うものだなと思った。
そもそも天かすが常温か冷蔵かすらもわからなかったわたしは全然会話に付いていけなかったのだけど。


客の案内が終わると男性タイミーは、
天かすは3〜4回聞かれたことがあると言っていた。
タイミーなのに頼りになるおじさんだ。
わたしがいつも行っている運送会社にもこんな人が来てくれたらいいのに!
暇だったわたしは天かすがどういうものか確認し、
ついでにさっきの塩昆布も確認してみた。

うん、絶対に自分じゃ買わない。


通りでわからないわけだよ。
家に帰ったら買い物大好きの母親に話してみよう。
絶対バカにされるな。
ちょっとうちの娘ヤバいかもと思うかもな。
でも一生料理なんてする気がしないわたしは、
今夜のドラマと週末のまち歩きで頭がいっぱいなのだ。