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「閣議決定を反対運動で正常化する、始まりの集会!」~放射能汚染水を海へ流すな!緊急抗議行動 ―発言:鎌田慧氏(さようなら原発呼びかけ人)ほか

 取材・文・木原匡康 文責・岩上安身

 2021年4月13日、福島第一原発のトリチウム処理水の海洋放出が閣議決定されたことに抗議して、総理官邸前で、「放射能汚染水を海へ流すな!緊急抗議行動」が行われた。

 さようなら原発1000人アクション呼びかけ人でルポライターの鎌田慧氏を皮切りに、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)、全国労働組合連絡協議会(全労協)、ふぇみん婦人民主クラブ、たんぽぽ舎、原発のない福島を県民大集会実行委員長、元原発労働者、原子力資料情報室、ピースサイクル、キリスト者平和ネット、経産省前テント広場の、各団体・個人の方々が抗議のアピールを行った。

 アピールでは、トリチウムの海洋放出には風評被害だけでなく人体への実害があることや、国や東電が海洋放出の理由とするタンク敷地の不足は嘘で、大型タンクを作れば海洋放出を避けられることなどが、次々と訴えられた。

 最後に発表された決議文では、国民との約束を破り、不祥事を連発する国と東電に、「汚染水を管理する資格はない」として、「海洋放出の閣議決定は許されない」「代替案の再検討を強く求める」と訴えた。

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▲総理官邸前での「放射能汚染水を海へ流すな!緊急抗議行動」(IWJ撮影)

「東電が『タンクに保存する』と言っているのに、菅内閣は、とにかく放出する方針を決めた!」と、さようなら原発1000人アクション呼びかけ人・鎌田慧氏は訴える

 2021年4月13日、福島第一原発のトリチウム処理水の海洋放出が閣議決定されたことに抗議して、同日12時より総理官邸前で、「放射能汚染水を海へ流すな!緊急抗議行動」が、さようなら原発1000万人アクションの呼びかけで行われ、IWJはこの模様を中継した。

 最初にマイクを握った、さようなら原発1000万人アクションの呼びかけ人で、ルポライターの鎌田慧氏は、次のように語った。

鎌田慧氏「今朝早く、菅政権は閣議決定で、太平洋に、核汚染水を大量に廃棄することを決定しました。これは、国際的に見ても、日本世論ばかりか、国際世論に対しても、挑戦であります。この危険な廃棄物を太平洋に流す。水に流せば解決するっていうことでは全くない。むしろ東京電力でさえ、5年までは、『関係者の理解なしには、いかなる処分も行わず、多核種撤去設備にて処理した水は、発電所内タンクに保存する』と明確に言っています。

 加害者の東電が、『タンクに保存する』と言っているのに、菅内閣は、とにかく放出する方針を決めて、放出する」

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▲さようなら原発1000万人アクションの呼びかけ人で、ルポライターの鎌田慧氏(IWJ撮影)

「『処理水』ではなく、あくまで『核汚染水』! 希釈にも電力がかかる! 薄めても、安全かはわからない! トリチウムによる、原発周辺の子どもたちの白血病や遺伝子への影響が世界的に明らかに!」と鎌田氏

鎌田氏「これは、『処理水』と言っているが、あくまでも『核汚染水』です。核汚染水を大量に、今、120万トン、福島原発にあります。1日120トンあたり出てきています。その120万トンを、何十年かかかるでしょうけれど、太平洋に、自然の海に流す。これだけの環境破壊はありません。

 『トリチウムは、希釈すれば害がない』なんて言ってるけど、全部希釈するとすると、どれだけの電力を使うかわからない。今、1リットルあたり6万ベクレルにして流せばいいと言いますけど、そこまでやらないで流す。そして、6万ベクレルでも安全かどうかはわからない。トリチウムによって、子どもたちが、原発周辺の子どもたちが白血病になったり、遺伝子に影響があったり、いろんな障害が出ているというのは、今世界的にも明らかになっています。

 そのトリチウムを出す。他の核物質は除去したと言いながら、トリチウムあるいは他のまだ分からないような核種をいっぱい含んだ形であるのを、それを太平洋に向かって流す。それは世界の世論への挑戦です。そういうことを、自国の政府が、まして、加害者の東京電力が流すとはっきり言っていないのに、政府が率先して流す。これだけの横暴なことは許されない」

 鎌田氏はさらに、この海洋放出の閣議決定が、沖縄の辺野古の暴力的埋め立てと同じ構造であり、「菅内閣には、環境とともに人類が生きていくという思想が全くない」「今だけ金儲けすればいい。メーカーを救済すればいい。しかしそれが東電の救済になるかどうか?」と疑問を投げかけた。

 水俣病等1970年代の日本の公害で学ばれたはずの「廃棄物は構内に保存しなければならない」というルールが無視され、半減期が120年等の核物質を大量に流すことは「絶対に許せない」「菅首相よ、あなたはなんてことをやってるんだ」と強く訴えた。

※この記事はIWJウェブサイトにも掲載しています。
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