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今週の「ヤバいVR」10選【Vol.3】~'20/5/24

毎週10個のトピックを「ヤバいVR」としてをまとめています.
期限は気力が続くまで.

今回は3週目です.前回のnoteはこちらから.
追記もしていきます.

東京でも間もなく緊急事態宣言される見通しですが,不慣れな勤務体制や第二波感染拡大への不安からなかなか心休まらない日々が続きそうです.特に子どもを預けられないまま出社になってしまう家庭も多いのではないか危惧しています.

これからの働き方や新しい日常のためにも,改めてVRがどう活用できるのか,ユースケースを探っていきたいと思います.


1. Facebook、今後従業員の半数を在宅勤務に

社内向けタウンホールミーティングにて,Mark Zuckerberg CEOは「今後5~10年の間にFacebook従業員の約半数がテレワークになる可能性」を示しました.慎重に対応する見通しです.

Facebook参加のOculusには後述のtoB向けサービスも充実しており,リモートワークの推進にはVRの利活用も考えられているようです.

そのほか,TwitterSpotifyが在宅勤務の延長を認めています.
Twitter無期限の在宅勤務を認める措置を発表.

2. 「Oculus for Business」正式提供開始

Oculus for BusinessOculusが提供する企業のVR導入をサポートするプラットフォームです.特に利用するデバイスはOculus Questとのこと.

同社の実績として,Johnson & Johnson Instituteの外科手術に関するトレーニングなどの事例を紹介しています.

3. Oculus Questが1周年

スタンドアロン型のVRヘッドセット「Oculus Quest」が発売から一周年を迎えました(Rift Sも).

ハンドトラッキングの正式実装や,パソコンとOculus QuestをUSBで接続してPC向けのコンテンツが利用できるOculus Linkの要件緩和など,発売後もユーザー・開発者を楽しませてくれるアップデートが満載です.

Oculus for Businessでさらに利用が広まれば,コンテンツやユーザーの増加にも繋がることでしょう.これからも目が離せません.

4. MRグラス「NrealLight」、開発者向けキットが国内向け予約開始

Oculus QuestがVRの転換点となりうるハードウェアだとすれば,AR/MRの転換点はNrealLightが担うかもしれません.NrealLightは,他社のAR/MRグラス(HoloLensMagic Leap One)に比べて機能が制限されるものの,低価格・軽量小型を実現したデバイスです.Android搭載のスマートフォンか専用の外部機器に接続して使います.

先週の「ヤバいVR」vol.2日本法人「日本Nreal 株式会社」の設立をお伝えした際にはまだ明らかにされていませんでしたが,国内向けに開発者向けキットの予約が開始されました.

コンテンツが開発され,ユースケースが洗い出される中でこそ,機能改善のプライオリティも決まるに違いありません.多くの開発者の手に届くことを期待しています.
私たちNrealLightを用いたコンテンツを探索していきます.

5. Magic Leapが約380億円の調達に成功

Magic Leapは既に26億ドル(約2800億円)を調達しているMR開発企業です.
日本でもNTTドコモが投資を行っており,今年5月以降にMagic Leap Oneの発売が予定されています.

経営不振による売却や,先日大規模なレイオフとtoC向けのサービスからの撤退などが報じられてきた同社ですが,土壇場での資金調達によって解雇を取りやめたものと思われます.今後の動きにも注目です.

6. Kudanが50億円調達

Kudanは独自開発したVisual-SLAM技術などを提供しています.ARアプリの開発からスタートした同社は,特にVR関連企業としてはまだ数少ないIPOを果たしています.(ほんとにすごい)

Kudanの取引先には上述したMagic Leapの名前が挙がっていたことも.

今回の資金調達はDeep Tech領域でのM&Aが主な目的とされていますが,具達的な投資対象はまだ明らかにされていません.

7.ソニー、ドコモ、エムスリーがVR外出支援などで協業

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で,約9割の医療機関が入院患者との面会を制限しているそうです.また,医療現場での患者との接触頻度も問題になっています.遠隔サービスは急務の課題となっています.

今回3社で合意された協業として,VRを活用した入院患者のバーチャル外出支援やバーチャル面会システムが検討されています.

既に介護の現場でも利用されているVRですが,今後さらに拡大が進みそうです.とはいえ,テレビ電話などと比較した効用はまだ分かりかねます.

ソニードコモの連携としてはハードウェアとしてもスマホだけでなく,PlayStation VRMagic Leap Oneが導入されるのか気になるところです.

【余談】 噂:Apple Glassの価格や機能がリーク

あくまで噂の範疇なので閑話休題として.

Apple新製品に関する正確な予測で定評のMing Chi-Kuo氏が「AppleのARグラス発売は2022年登場」ことに対し,YouTuber・Jon Prosser氏が「発売は2021年3~6月が目標」と反論し,ポッドキャスト,動画を公開しました.ポッドキャストは現在削除されているようです.

動画の内容はまとめると次の通り.

・価格は$499 (別料金で度入り)
・メガネに近い見た目(プラスティック製.変更の可能性あり)
・LiDARを搭載
・カメラの搭載はない可能性が高い
・両目のグラスにディスプレイ
・ジェスチャーによる制御
・ワイヤレス充電

個人的にはカメラ搭載で取り組みたい表現が多いので残念ですが,これまでのAR/MRデバイスを覆すUXを期待しています.

8. ゲームを通じたイベントが活性化・新しい収益の可能性

Fortniteで行われたTravis Scottのイベントについては「ヤバいVR」vol.1に記載した通りですが,その動きは他のゲームにも普及しそうです.

マインクラフトでは300人以上のアーティストが出演するバーチャル・フェス「Electric Blockaloo」が企画されています.出演アーティストは来週にも全員発表されるとのこと.

Microsoft傘下のMojangは先日「Minecraft」の累計販売数が2億本超、月間プレイヤー数も1億2600万人を超えたと発表しました.

オフラインでは不可能な人数の集まりですが,視聴者数のカウンターだけを見ていてもなかなかピンと来ないもの.かつて,ニコニコ動画弾幕がそうであったように,VR/ARの時代はアバターキャラクターがデジタルの向こう側にいる人たちとの一体感や熱量を与えてくれるのかもしれません.

ちなみに,Fortniteではシーズン変更に伴うワンタイムイベントが今週行われる予定です.なんとか参加して体験を共有できればと思っています.

9. ル・マン延期に伴い,24時間耐久レースがゲームで開催

Fortniteやマインクラフトは自由度の高いゲームですが,スポーツゲームでも実際のプロ選手がesportsに参加する機会がいくつか話題になっています.

錦織圭選手・大阪なおみ選手などが『マリオテニス エース』を使ったチャリティーマッチに参加する

24時間の過酷な耐久レースで知られる「ル・マン」も9月に開催延期されたことに伴い、当初開催が予定されていた6月13日に「ル・マン24時間レース・バーチャル」を行うことが発表されました.

これまでもesportsとしてル・マンを主催するACOも参画するゲームでの耐久レースは行われてきましたが,今回は実際のレーシングドライバーがチームに加わります.

まだまだアングラなイメージを払拭しきれないesportsですが,選手たちの純粋に楽しむ姿や真剣な眼差しを見て,より多くの人が見知るきっかけになれば個人的にも何より幸せです.

10.「からかい上手の高木さん」VRアニメ発売

かわいい。

おわりに

改めて感染が収束に向かい,経済活動が再開される中で,多くの人は元々の日常に戻っていくことでしょう.しかしながら,リスクヘッジの必要性や多様性を見直すきっかけになったことは間違いありません.

私自身もVRの難しさを痛感する機会となりました.特にVRはユーザーの既存知識体験が大きな要素になっています.あるいはそれを引き出すことで補間してもらえるようにデザインされています.

したがって,特に初対面のヒト・モノ・コトに対して十分な体験が提供できるのか,改めて考え直す必要があると思いました.

そんな感じです.

World Maker, Inc.ではAR・VRで新しい日常を探索していきます。
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会社のみんなとドーナツ食べます。